Reflections

アルバム『Reflections』の概要

『Reflections』は、1981年4月5日にリリースされた寺尾聰の初のオリジナル・アルバムです。本作は、全て寺尾自身の作曲によって制作され、東芝EMIから発表されました。歌詞カードには、彼の作詞家である有川正沙子の作品も見られ、アート・ディレクションは藤田秀己によるものです。このアルバムは、音楽業界においても非常に高く評価され、その後のキャリアにおいて重要な足がかりとなりました。

アルバムの再リリース

2006年、寺尾聰は『Re-Cool Reflections』というタイトルの再録音アルバムをリリースしました。また、2007年には、既に発表済みのシングル4曲をボーナストラックとして加えたデジタル・リマスタリング版『Reflections+4』も登場しました。これにより、新旧のファンがアルバムを再度楽しむ機会が設けられました。

アルバムジャケットのデザイン

このアルバムのジャケットは、寺尾が『西部警察』の撮影に追われていた時期に撮影されたもので、撮影所の廊下で撮られました。特に目を引くのが、「LOVE」の文字が光で浮かび上がっているデザインです。これは、暗闇の中でシャッターを開き、その間に光を使って「E」の部分を書き、続けて「L」を書いた後に明かりを点けてシャッターを閉じるという技法で表現されています。

音楽的成功と記録

同年2月にリリースされたシングル「ルビーの指環」は、10週連続でオリコンチャートの1位を獲得するという成功を収めました。この影響を受け、『Reflections』もアルバムチャートで12週間にわたって1位に輝き、そのうち8週はシングルとアルバムが同時に1位を占める快挙を達成しました。このような記録は、1973年の宮史郎とぴんからトリオ、1978年のピンク・レディーに続くもので、シングルとアルバムが同時に年間第1位になるという珍しいケースとなりました。

オリコンにおいては、160万枚を超える販売実績が記録され、1982年にCD形式での発売が行われる以前においても、ミリオンセールスを誇るアルバムの一つとなりました。さらに、1981年のLPチャートでは、週間推定売上が10万枚を超えるという最初のアルバムとしての記録を達成し、その後も3週連続で週間推定売上が10万枚を上回るなど、数々の業績を残しました。

収録曲とクレジット

アルバムには多くの楽曲が収録されており、特に注意が必要な点は、参加ミュージシャンの豊富さです。キーボードには井上鑑、エレキギターには松原正樹や今野剛が参加し、アコースティックギターやベース、ドラムスに至るまで多彩な音楽家が名を連ねています。また、制作には田尾俊文と寺尾聰がプロデューサーとしてクレジットされ、録音技術も高く評価されています。

まとめ

『Reflections』は、寺尾聰の音楽キャリアにおいて非常に重要なマイルストーンとなった作品です。その商業的成功、独創的なジャケットデザイン、さらには多くの参加ミュージシャンの協力により、今なお多くのファンに愛され続けています。このアルバムは、彼の音楽的成長を象徴するだけでなく、時代を超えて聞かれるべき最も優れた作品の一つといえるでしょう。

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