Remote

remote：日本のロックシーンに旋風を巻き起こした伝説のバンド

1987年、ボーカルの池田貴族とギターのHIROを中心に結成された日本のロックバンド、remote。その活動は短期間ながらも、日本の音楽史に鮮やかな足跡を残しました。この記事では、彼らの華麗なる活躍と、惜しまれつつ幕を閉じた歴史、そして再結成の試みまでを詳しく紐解いていきます。

池田貴族の少年時代とバンド結成への道

remoteの中心人物、池田貴族は幼少期から歌謡曲アイドルに傾倒し、歌と踊りの練習に励んでいました。中学生時代にはカーペンターズやビートルズ、プログレッシブ・ロックにも触れ、音楽的視野を広げます。そして、ベイ・シティ・ローラーズのライブパフォーマンスに感銘を受け、バンド結成を決意。高校時代には、後のバンドメンバーとなるメンバーらとセッションを重ね、地元では「名古屋のコージー・パウエル」と呼ばれるほどの腕前を誇るドラマーとして名を馳せました。

大学進学を断念し上京した池田は、ロックコンテストへの参加を目指し、メンバー募集を開始。そこで出会ったのが、愛川弘樹と前崎史郎が在籍するバンド「Hip!」でした。池田とHIROが加わった「Hip!」はコンテストで優秀な成績を収め、その後解散。1987年1月、池田とHIROを中心に、remoteが正式に結成されました。

原宿歩行者天国での伝説とメジャーデビュー

1988年5月、remoteは原宿歩行者天国（ホコ天）でのライブ活動をスタート。当初は観客もまばらでしたが、池田貴族の熱意あふれるパフォーマンスが注目を集め、瞬く間に人気バンドへと成長していきます。赤い衣装とメイクという、当時としては斬新なヴィジュアル戦略も奏功し、「お化粧バンド」「美形バンド」として話題を呼びました。ホコ天では自主制作のカセットテープやブロマイドを販売し、大きな成功を収めました。

1989年3月、TBS系バラエティ番組『平成名物TV』内の「三宅裕司のいかすバンド天国」（いか天）に出演。「Never Be!」を披露し、多くの視聴者の心を掴みました。番組出演を通じて、remoteはさらに知名度を上げ、メジャーデビューへの道を切り開いていきます。

1990年7月、ワーナー・パイオニアよりシングル「NO!」でメジャーデビュー。サンシャイン劇場で盛大なデビューライブを開催。その後もアルバムリリースやライブ活動を行い、音楽シーンに独自のスタイルを確立していきました。しかし、その一方で、池田貴族は心霊関連のテレビ番組への出演が増え、バンド活動との両立に苦戦するようになります。

解散とその後

1992年5月、渋谷エッグマンでのライブをもって、remoteは活動休止、同年9月に解散を発表しました。池田貴族の心霊タレントとしての活動の増加や、バンドメンバーとの方向性の違いなどが解散の要因として挙げられます。

解散後、池田貴族は作家や心霊研究家としても活動。しかし、1999年に36歳で逝去しました。その後、メンバーはそれぞれの道を歩むことになります。

2019年には、イベントライブで限定的に再結成を果たし、多くのファンを喜ばせました。活動期間は短かったものの、remoteは日本の音楽シーンに大きなインパクトを与えた、伝説的なバンドとして記憶されています。

メンバー

池田貴族（ボーカル）
HIRO（ギター）
愛川弘樹（ベース）
天草史郎前崎（キーボード）
CHAPPY（ドラムス）

ディスコグラフィー

remoteは、自主制作カセットテープ、シングル5枚、アルバム3枚、ライブビデオ1本をリリースしました。それぞれの作品には、彼らの音楽性と時代背景が色濃く反映されています。

脚注

この記事の情報源は、池田貴族の著書や、関係者の証言、およびインターネット上の情報を元に構成されています。詳細な出典は、参考文献に記載しています。

参考文献

池田貴族『浮世供養－さらば、青春の日々－』
『オリコンチャート・ブック アルバムチャート編 昭和62年－平成10年』
池田貴族 著、清水修 編『池田貴族 霊的告白』

外部リンク

remote公式Facebookページ
remote公式Twitterページ
* メンバー個人のSNS等

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