Remote Desktop Protocol

リモートデスクトッププロトコル (RDP) の概要

リモートデスクトッププロトコル（Remote Desktop Protocol, RDP）は、リモートデスクトップサービス（Remote Desktop Services, RDS）と呼ばれる技術を活用して、クライアントコンピュータがサーバに接続するためのための多機能な通信プロトコルです。主に、TCPおよびUDPのポート3389を使用して通信を行います。

RDPの主な機能

RDPはそのバージョン5.2からさまざまな機能をサポートしており、これによりリモートデスクトップの操作がより快適に行われるようになっています。以下はRDP 5.2がサポートする機能の概要です：

• - 色表現：24ビットのカラーに加え、8、15、16ビットのサポートも実施
• - 暗号化：最大128ビットのRC4暗号化を実現し、セキュリティを強化
• - TLSのサポート：主に暗号化を行う機能
• - 音声再生：ローカル上でリモートサウンドの再生を実現
• - ファイルとプリンタのリダイレクション：サーバとクライアント間での資源利用を可能に
• - クリップボードの共有：異なるデバイス間でのデータのコピーペーストが可能

RDP 6.0ではさらに多くの機能強化が施され、シームレスウィンドウのサポートや32ビットカラーのサポート、1600×1200以上の画面解像度のサポートが含まれています。また、TLS 1.0を通じた通信の認証も可能となり、セキュリティがより一層強化されました。

RDPの歴史

RDPは、米国のシトリックス・システムズによって開発されたWinFrameという技術に起源を持ちます。この技術は、Windows NTを複数ユーザーが同時に利用できるようにするサービスとして1995年にリリースされました。その後、RDPは「ターミナル サービス」として機能し始め、Windows XP以降のオペレーティングシステムには標準機能として組み込まれるようになりました。

RDPのバージョンは、4.0から開始され、各バージョンは新たなWindowsバージョンと共にリリースされてきました。簡単に各バージョンの特徴を見ていきましょう：

• - Version 4.0：ITU-Tプロトコルをベースとして搭載
• - Version 5.0：Windows 2000 Serverでローカルプリンタや帯域幅の改善が実施
• - Version 6.0：Windows Vistaなどでの多くの機能強化を含む

最新版の特徴

RDPの最新バージョンである10.0はWindows 10に標準搭載され、多くの機能と共に使われています。リモートデスクトップを使用するためには、Windows Serverのライセンスが必要で、具体的にはクライアントアクセスライセンス（CAL）やリモートデスクトップサービス（RDS CAL）が求められます。特に仮想化を活用する場合には、追加でライセンスが必要になることがあります。

リモートデスクトップ技術の拡張

Microsoft以外にも、RDPに基づいた多数のサブセット製品が存在し、リモートデスクトップへのアクセス手段は多様化しています。例えば、LinuxやUnix環境向けに開発されたオープンソースのクライアントとして「rdesktop」があります。また、コマンドラインとGUIの両方で利用できるクライアントも多く登場しています。これにより、ユーザーは環境に合わせたリモートデスクトップ接続が可能です。

RDPは、リモートデスクトップの利用を効率化するための重要なプロトコルとして、今後も進化し続けることでしょう。

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