Rock'n Rouge

Rock'n Rouge／ボン・ボヤージュ

1984年2月1日にリリースされた松田聖子の16枚目のシングル「Rock'n Rouge」とそのB面「ボン・ボヤージュ」。この作品はCBS・ソニーから発売され、シングルとしてはオリコンで67.4万枚の売上を記録しました。また、1989年には8cmCDとして、2004年には紙ジャケット仕様の限定版が再リリースされ、両曲のオリジナル・カラオケも追加されました。

制作背景

「Rock'n Rouge」は、カネボウ化粧品のCM曲としても知名度が高く、作曲を手がけたのは呉田軽穂（松任谷由実）。彼はこの曲に、ABBAのようなヨーロピアン・ディスコ調の要素を盛り込みたいという想いを秘めていました。一方で、プロデューサー側も春にぴったりな明るい楽曲を求めており、その目指す方向性が一致することでスムーズに完成へと至りました。聖子自身も前作がバラードだったため、アップテンポな楽曲を期待しており、これが両者の思惑を合致させる要因となりました。

歌詞の作成には、松本隆が取り組みましたが、カネボウ側から「pure pure lips」のフレーズを含むという制約があり、これが製作過程での難題となりました。そのため、松本は締切ギリギリまで音信不通に。最終的にはシンプルなデートシーンを描くことで、困難を乗り越えました。実際には、没となった別の歌詞のデモも存在し、インターネット上で耳にすることができます。

CMソングであったため、初期のテレビ出演時には「Rock'n Rouge」を披露することができず、代わりにアルバム収録曲の「Canary」や「ボン・ボヤージュ」を歌いました。この曲がテレビで初めて披露されたのは1984年3月26日放送の『夜のヒットスタジオ』で、プレミアが遅れたことが注目されました。

同年の紅白歌合戦でも披露され、2019年には70回目の紅白歌合戦でもメドレーの一部として演奏されるなど、その人気は衰えることがありません。

収録曲

シングルには以下の2曲が収録されています:

• - Rock'n Rouge (4:16)
• - ボン・ボヤージュ (4:32)

また、46thアルバム『Very Very』にはこの曲の続編となる「ふたりのボン・ボヤージュ」が収録されています。

カバー作品

「Rock'n Rouge」は多くのアーティストにカバーされており、1985年には林憶蓮が広東語で、1988年には伊能静が中国語でそれぞれリリースしています。さらに、2006年にCHiYO、2009年にはDG-10のメンバーによるコラボレーション、2020年には田村ゆかりが特集アルバムに収録し、その人気の高さを証明しています。「ボン・ボヤージュ」もKatrina Perkinsによって1991年にカバーされています。

このように「Rock'n Rouge」と「ボン・ボヤージュ」は、日本の音楽シーンにおける重要な作品の一つであり、多くの人々に愛され続けています。

もう一度検索