Romanticが止まらない

Romanticが止まらない：C-C-Bの代表曲とその軌跡

1985年1月25日、ポリドールからリリースされたC-C-Bの3枚目のシングル「Romanticが止まらない」は、日本の音楽史に名を刻む大ヒット曲となりました。バンド名をCoconut BoysからC-C-Bに変更後の第一弾シングルであり、TBS系連続ドラマ『毎度おさわがせします』の主題歌として起用されたことが、その爆発的な人気を後押ししました。

偶然と必然の出会い：主題歌選定の舞台裏

当初、『毎度おさわがせします』の主題歌は他のアーティストが予定されていました。しかし、様々な事情により候補が変更を余儀なくされ、C-C-Bの音楽プロデューサーである渡辺忠孝氏に白羽の矢が立ちます。渡辺氏は、作曲を筒美京平氏、作詞を松本隆氏に依頼。筒美氏は松本氏の参加を条件に快諾し、この強力な布陣によって「Romanticが止まらない」は誕生しました。

笠浩二の挑戦と筒美京平の慧眼

楽曲制作において、筒美氏はC-C-Bのドラマーである笠浩二氏の透明感のある歌声を高く評価し、メインボーカルに抜擢。笠氏のハイトーンボイスを最大限に活かすため、キーを通常より2音高く設定したと言われています。当時、筒美氏が最も評価していたボーカリストが笠氏だったというエピソードは、この楽曲の成功を予感させるものがあります。

レコーディングは、笠氏にとって大きなプレッシャーとなりました。バンド解散も覚悟したほどの重圧の中で、歌詞を覚えられず苦悩する日々を過ごしたそうです。しかし、筒美氏は、笠氏がサビのメロディーラインを意図せず変えて歌ってしまうことにも、咎めることなく「君のメロディーだ」と励ましました。さらに、渡辺氏は、笠氏がファンだという薬師丸ひろ子さんの写真を目の前に置くという、苦肉の策で歌唱をサポートしたと言われています。

新しさへの挑戦と時代の共鳴

編曲を担当した船山基紀氏が制作したイントロのシンセサイザーフレーズは、当時としては非常に斬新なものでした。筒美氏や渡辺氏は当初、このアレンジに戸惑いを感じ、変更も検討されたそうですが、最終的にはC-C-Bメンバーの意見を尊重し、この斬新なアレンジを採用。この決断が、楽曲の個性となり、大ヒットに繋がりました。

大ヒットとその後：多様な展開

「Romanticが止まらない」は、C-C-Bのシングルの中で最大のセールスを記録し、『ザ・ベストテン』で1位を獲得するなど、社会現象と言えるほどのブームを巻き起こしました。その後も、様々なCMソング、ドラマ挿入歌として使用され、多くのアーティストによってカバーされるなど、その人気は現在まで続いています。さらに、様々なメディアで取り上げられ、漫画や小説のタイトルにも用いられるなど、その影響力は多岐に渡ります。

まとめ：時代を超えて愛される一曲

「Romanticが止まらない」は、才能あふれる作曲家、作詞家、そしてC-C-Bメンバー、そして制作スタッフらの情熱が凝縮された、奇跡のような一曲です。時代を超えて愛され続けるその魅力は、普遍的な恋愛感情と、斬新なサウンド、そしてドラマチックな制作秘話にこそあるのかもしれません。その存在は、日本の音楽シーンに大きな足跡を残し、今もなお多くの人々に感動を与え続けています。

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