Run (チューリップのアルバム)

アルバム『run』について

チューリップの『run』は、2007年5月30日にリリースされた通算22枚目のアルバムです。オリジナル・アルバムとしては、前作『Well』からなんと18年ぶりとなります。また、2枚組のオリジナルアルバムとしては『Someday Somewhere』以来28年ぶりの作品でもあります。長い活動の中で培ってきた彼らの音楽が、35年の集大成として感じられる内容となっています。

アルバムのコンセプト

タイトルの『run』には「歳を重ねたけれど、もう一度走り出そう」というメッセージが込められています。このアルバムには、全20曲が収録され、特に注目すべきは、曲の作風がデビュー当時の音楽性を意識したものに仕上げられていることです。1枚目のディスクには、2000年代以降の楽曲をベースにしたトラックが収められ、流行に左右されないよう練られています。一方、2枚目のディスクは、メンバーの財津和夫がソロで制作した音楽を基にしており、チューリップの主なイメージとは一線を画す独特の世界観を楽しむことができます。

収録曲の概要

DISC 1

• - run: アルバムのタイトル曲であり、ツアーでもパフォーマンスが行われました。
• - 果てしない旅: 作詞の上田雅利と作曲の姫野達也による楽曲。
• - 明日のクライシス: 財津和夫が作詞・作曲を担当。
• - 試してごらん嘘じゃない（時は涙を連れて行く）: 安部俊幸が作詞・作曲した最後の曲となり、切なさが際立つナンバーです。
• - スズラン: 宮城伸一郎の歌詞が印象的。
• - 自分に素晴らしい: 財津和夫のボーカルが光ります。
• - NEVER ENDINGやSunny ～朝陽はそこに居たよ～など、様々な楽曲がバランスよく配置されており、聴き応えがあります。

DISC 2

このディスクの全曲を作詞・作曲したのは財津和夫であり、彼の独自のセンスが色濃く反映されています。収録曲には『あの星へもどろう』や『翼はいらない』などがあり、そのメロディは聴く者の心をつかみます。

アルバム制作の背景

本作は、チューリップが1997年に再結成以降、JVCケンウッド・ビクターエンタテインメントに所属して初めて制作されたオリジナル・アルバムであり、以降は他のオリジナルアルバムがリリースされていないため、現状ではこのアルバムがチューリップとしての最後の作品となっています。シングルの発売も検討されましたが、最終的にはアルバムのみが発表されました。

スタッフと参加ミュージシャン

アルバムには外部のミュージシャンも参加し、共同制作が行われています。例えば、ギターには林部直樹が参加し、プログラミングを京田誠一が担当しています。更に、録音やミキシングには数多くの有名なエンジニアが関わり、アルバム制作には多くのスタッフが尽力しました。

このように、『run』はチューリップのキャリアを代表する作品として、長年のファンにとって特別な意味を持つアルバムとなりました。これからも彼らの楽曲が多くの人々に愛され続けていくことを願っています。

もう一度検索