S・F・X

S・F・X（エス・エフ・エックス）

細野晴臣の音楽キャリアにおいて重要な作品である『S・F・X』は、1984年12月16日にテイチクのノン・スタンダードレーベルからリリースされました。このアルバムは、日本の音楽シーンにおけるデジタルシンセサイザーと32ビートの導入を先取りした貴重な作品となっています。細野はこのアルバムでソロアーティストとしての一歩を踏み出し、YMO（イエローマジックオーケストラ）の解散後、彼の音楽的探求の深化を示しています。

アルバムのジャケットには「HARUOMI HOSONO with FRIENDS OF EARTH」とのクレジットがあり、内部には「FRIENDS OF EARTH」という項目が掲載されています。この「FRIENDS OF EARTH」は、後に細野が結成する音楽ユニットの名前にもなります。また、この作品はリリース後いくつかの再発が行われ、2001年11月21日に発売された再発盤では、タイトル表記が「S-F-X」に変更されました。

楽曲の変遷と収録内容

『S・F・X』は当初、収録曲の一部に変更がありました。「BODY SNATCHERS」は『SPECIAL MIX』として入れ替えられ、ミニアルバム『Making of NON-STANDARD MUSIC/Making of MONAD MUSIC|Making of NON-STANDARD MUSIC_Making of MONAD MUSIC』からの曲が一時的に追加されました。しかし、2001年からの再発盤では、これらの曲は別にリリースされ、LPやカセットテープと同じ内容に戻されました。

プロモーション戦略

リリース当時、このアルバムはお正月映画の公開シーズンに合わせてCMが大量に放映され、映画館などで広く宣伝されました。こうしたプロモーション活動により、多くのリスナーにリーチし、細野晴臣の名声を高める助けとなりました。

収録曲と特徴

アルバムには以下の楽曲が収録されています:

1. BODY SNATCHERS - この曲は、参加したヴォーカリストにより多様な声が使用されています。
2. ANDROGENA - バックヴォーカルには越美晴が加入しています。
3. SFX - 急逝した映画監督フランソワ・トリュフォーに捧げられた曲で、制作過程で影響を受けたSF映画のリストも歌詞の部分に記載されています。
4. STRANGE LOVE
5. ALTERNATIVE 3
6. DARK SIDE OF THE STAR

また、その後のCD盤（1985年、1990年、1996年、2001年、2008年、2015年盤）でも同様の楽曲が収められており、いずれもアルバムの記録的な重要性を示しています。

さらに、リリースされたCDバージョンにはミニアルバム『Making of NON-STANDARD MUSIC/Making of MONAD MUSIC|Making of NON-STANDARD MUSIC_Making of MONAD MUSIC』の楽曲が含まれていることも特徴です。これにより、細野晴臣の創作活動の幅広さを実感することができます。

技術面と使用機材

このアルバム制作には様々な機材が使用されており、詳細なクレジットにはROLANDやYAMAHAなどの名前が並びます。特にROLANDのMC-4やTR-909、808をはじめとするドラムマシン、KORG SDD-100やYAMAHA DX-7などのシンセサイザーが用いられ、その音色はアルバムの電子音楽の特色を形成しています。

このように、『S・F・X』は細野晴臣の音楽的実験と時代の先端を行くアプローチが結集した一枚であり、今なお多くのリスナーに愛され続けています。

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