S&W M36

S&W M36

S&W M36は、スミス&ウェッソン社が1950年に発表した回転式[[拳銃]]であり、もともとは「チーフスペシャル」という名称で知られていました。これは、同社が開発したJフレームを基に設計された初めてのモデルであり、小型で携帯性に優れているため、個人の護身用としても人気があります。

歴史的経緯

1940年代後半、S&W社の技術者たちは、より強力な.38スペシャル弾を装填できるポケットリボルバーの開発を始めました。当時は既にIフレームというモデルが存在しましたが、このフレームは.38 S&W弾にしか対応できなかったため、改良が必要でした。これを受けて新たに設計されたのがJフレームであり、その最初のモデルがM36です。

1950年には、国際警察長協会（IACP）で新しい拳銃の発表が行われ、議決を経て「チーフスペシャル」と名付けられました。1957年になると、モデル番号がM36として公式に認識され、以降の生産分がこの名称で広まりました。

設計と特徴

M36はJフレームを採用しており、5連発のシリンダーを持っています。エジェクターロッドはやや短く、使用する際に押し込んでも完全に弾薬が排出されない場合があります。この拳銃の銃身下部には、エジェクターロッドを前方から押さえるための簡易型フロントロッキングが備えられています。

トリガーメカニズムは、従来のS&W製リボルバーとほぼ同じであるものの、ハンマースプリングにはリーフスプリングではなく、コイルスプリングが使用されています。ダブルアクションモードでは約7キログラム、シングルアクションでは約1.6キログラムのトリガープルを持ち、操作もスムーズです。リアサイトはフレームトップに掘られたスリット式で、調整はできませんが、取り扱いが容易です。

最初にリリースされたモデルは2インチの銃身を持っていましたが、1950年12月には3インチ銃身モデルも加わりました。さらに、1967年には3インチ銃身モデルにヘビーバレルの仕様が導入され、標準化されました。グリップも初期モデルでは薄いラウンドバットのみでしたが、1952年からはスクエアバットも選べるようになり、需要に応じてカスタムグリップに交換することも可能です。

改良とバリエーション

M36は発表以降、長年にわたり改良が重ねられ、さまざまなモデルが生産されました。最初期のモデルは「プリM36」と呼ばれ、スクリューの数によってフレームのタイプが変わるなど、多彩なバリエーションが展開されました。

• - M36：1957年以降の標準モデル。
• - M36-1：1967年に登場した3インチヘビーバレルモデル。
• - M36-2/3：1988年以降のモデルで、様々な改良が加えられました。
• - M36-4/5：1989年に発表された女性向けモデルで、デザインが一新されています。
• - M36-6：射撃競技向けの3インチバレル仕様。

まとめ

S&W M36は、小型でありながら強力な性能を持つため、警察官や一般市民の護身用武器として広く利用されています。新しいモデルやバリエーションの追加によって、現在でも多くの支持を集め続けています。その多彩な派生型からも、その人気の程が伺えます。

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