S&W M500

S&W M500 リボルバーの概要

S&W M500（スミス・アンド・ウェッソン モデル500）は、2003年にアメリカのS&W社によって開発された大型リボルバーです。この銃は、特に強力な弾薬、.500S&Wマグナム弾を発射することが可能であり、既存の.454カスール弾の威力を超えることを目的として設計されました。

開発背景

2000年代初頭、S&W社は複雑な歴史を経て、米国資本に復帰しました。しかし、同社の市場での地位は一時的に低下していました。かつて発売した.44マグナム弾を使用するS&W M29のヒットを再現し、さらなる高威力の拳銃弾を備えた新モデルの開発が求められました。これに応じて誕生したのがM500です。このリボルバーは実用性には欠ける部分もありましたが、結果的にS&W社はこの商品によって再びブランド力を向上させることに成功し、アメリカにおける最大の銃器メーカーの一つとしての地位を取り戻しました。

基本スペックと特徴

M500の銃身の長さは4インチ、8.375インチ、さらに特別仕様の「ハンターモデル」では10.5インチの選択肢もあります。この銃が使用する.500S&Wマグナム弾は、.44マグナム弾に比べて約3倍の威力を誇ります。このため、M500はそのフレームにエクストラ・ラージサイズであるX-フレームを採用しています。このフレームはステンレス製で、圧倒的な発射力に耐えられるよう設計されています。

.500S&Wマグナム弾は、一般の拳銃で流通している中では最大級の威力を持つ弾薬です。特に、Cor-Bon社製の350grのホローポイント弾は、3031ft・lbfという運動エネルギーを発生させ、M1ガーランドが使用する.30-06スプリングフィールド弾よりも強力です。

装弾数とシリンダー設計

M500は装弾数を5発としており、これは銃のシリンダーの強度を保ったまま火器としての機能を果たすためのデザインです。具体的には、シリンダーストップノッチがシリンダーホールと重なると肉厚が不足してしまうため、装弾数は制限されています。また、サイトには特に精密射撃に向いている設計が施されています。フロントサイトは光を反射しにくく、リアサイトは調整可能なアジャスタブルサイトになっています。

グリップとトリガー

銃のグリップは握りやすいラバータイプで、トリガーは連射に適した細身のデザインです。安全機構としては、ハンマーブロック式のインターナルセーフティに加え、専用のキーでトリガーをロックするキーロックセーフティも装備されています。

バレルの構造

バレルはフルラグタイプで、二重構造が採用されています。これにより、バレルの剛性が高まり、命中精度が向上します。特に、M500では先端にコンペイセイターを取り付け、バレルの固定状態を向上させる工夫がされています。他のモデルと同様に、収納や光学機器の取り扱いも考慮されています。

結論

S&W M500は、その卓越した威力とユニークな設計から、多くのファンを魅了するリボルバーであり続けています。この銃は、S&W社の歴史と技術力を象徴する存在として、今後も銃器市場での重要な位置を保持することでしょう。

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