S-Sence

S-Sence（エッセンス）は、日本の双子の女性による二人組音楽ユニットです。メンバーは、姉のTouchy（タッチ、本名：斎藤環）と、妹のNocci（ノッチ、本名：斎藤希）で構成されています。二人は共に12月16日生まれで、神奈川県横浜市の出身です。双子ならではの息の合ったハーモニーと、幅広い経験に裏打ちされたパフォーマンスが特徴です。

ユニット結成までの歩みと音楽的背景

S-Senceを形成するTouchyとNocciの姉妹は、幼い頃からハイスクールを卒業するまでの期間を、父親の仕事に伴いニューヨークやアトランタ近郊といったアメリカ合衆国で過ごしました。この海外での生活は、彼女たちが多様な音楽や文化に触れる貴重な機会となり、後の音楽活動における感性の基盤を築く上で重要な役割を果たしました。

帰国後、二人は国際基督教大学に進学し、卒業しました。音楽教育に関しても、幼少期より専門的なレッスンを受けていました。姉のTouchyはピアノを、妹のNocciはバイオリンをそれぞれ学び、クラシック音楽の素養を身につけています。これらの経験は、S-Senceのライブパフォーマンスにおいて、時にアコースティックな楽器演奏を取り入れるという形で活かされています。

また、アメリカでの学生時代には、高校・大学を通じてチアリーディング活動に熱心に取り組みました。チームとしての連携や、観客を惹きつけるためのダイナミックな表現力を磨いたこの経験は、S-Senceのステージにおけるダンスを取り入れたパフォーマンスや、エンターテイメント性の高いライブ活動の素地を培ったと考えられます。

音楽活動の軌跡

大学を卒業した二人は、プロとしての音楽活動を開始します。キャリアの初期段階は、主にクラブシーンでのライブパフォーマンスを中心に据えていました。現場での経験を積み重ね、徐々にその才能が注目されるようになります。

2000年、S-Senceは新たな一歩を踏み出します。テイチクエンタテインメント内のインペリアルレコードレーベルと契約し、twinkee（トゥインキー）というユニット名でメジャーデビューを果たしました。同年5月24日にはデビューマキシシングル『紅い石』（品番：TECI-3）をリリースし、続いて9月1日にはセカンドマキシシングル『弦と手』（品番：TECI-6）を発表するなど、精力的に活動を展開しました。twinkee時代の楽曲は、アメリカでの生活で培われたR&Bテイストを基盤に、双子ならではのユニゾンやハーモニー、そして二人の持つ独特の感性が生み出す世界観が融合したサウンドを特徴とし、R&Bユニットとして確かな評価を得るに至りました。

2002年に入ると、ユニット名をtwinkeeからS-Senceへと改名します（当初はS-Senseと表記されることもありましたが、後にS-Senceに統一されました）。同時にDolphin Heartsレーベルへ移籍し、心機一転、活動を継続。同年9月27日にはミニアルバム『Ring 4 Hope』（品番：DLP-1001）をリリースしました。興味深いことに、この『Ring 4 Hope』というタイトルは、単なる作品名にとどまらず、2001年からS-Sence自身が企画・主催していたクラブイベントの名称でもありました。これは、彼女たちの活動の基盤であり続けたクラブシーンへの深い思い入れを示すものです。クラブでのライブパフォーマンスは、改名後もS-Senceの活動の重要な要素であり続けました。

2004年には、UAE（United Asia Entertainment）レーベルへと移籍。ここでも積極的に作品を発表し、2004年11月25日にはマキシシングル『約束/Good-bye』（品番：JKCS-1004）、2005年3月8日にはミニアルバム『潸潸 (sun sun)』（品番：JKCA-1021）などをリリースしました。また、同じUAEに所属していたアーティストであるZeroのCD作品にコーラスとして参加するなど、レーベルメイトとのコラボレーションも見られました。このUAEでの活動期におけるS-Senceの楽曲には、それまでのR&Bサウンドに加え、アジア的な音楽のエッセンスを取り入れたアプローチが見られるのが特徴的でした。

2005年11月には、aspasiaレーベルへと所属を移籍。そして、2006年9月8日には、これまでのキャリアで培った音楽性を集約した初のフルアルバム『Get Closer』（品番：ASPA-4）をリリースし、ユニットとしての表現の幅をさらに広げました。

多様なメディアでの活動

S-Senceは、音楽制作やライブ活動に加えて、様々なメディアでの露出も積極的に行っていました。特にラジオパーソナリティとしての活動は顕著です。2004年から2005年にかけて、彼女たちは数多くのラジオ番組に出演しました。NACK5の『Asian Love Essence』（2004年10月～2005年3月）や『The Nutty Radio Show 鬼玉内えすてら』（2005年4月～9月、水曜レギュラー）、ニッポン放送の『オールナイトニッポンR』（2004年11月～2005年3月、月一回のパーソナリティ）、『アジアの風』（2005年4月～9月、毎週日曜）、FM大阪の『ALL THAT S-Sence』（2005年2月～3月）など、全国各地の主要ラジオ局でレギュラー番組やパーソナリティを務め、音楽活動の枠を超えた親しみやすいキャラクターで多くのリスナーから支持を得ました。

さらに、インターネットを活用した情報発信にも取り組みました。2005年10月からはポッドキャスティング番組『エッセンス裏道ラジオ』を開始し、音声メディアを通じてよりパーソナルなメッセージをリスナーに届けました。

ディスコグラフィー

S-Senceおよび前身ユニットtwinkeeの主な作品は以下の通りです。

twinkee

マキシシングル『紅い石』 (TECI-3) 2000年 5月24日発売
マキシシングル『弦と手』 (TECI-6) 2000年9月1日発売

S-Sence

ミニアルバム『Ring 4 Hope』 (DLP-1001) 2002年9月27日発売
コンピレーションアルバム『BLACK JUICE Vol.1』 (BZCS-1031) 2004年9月1日発売 (8曲目に『BOUNCE』収録)
マキシシングル『約束/Good-bye』 (JKCS-1004) 2004年11月25日発売
ミニアルバム『潸潸 (sun sun)』 (JKCA-1021) 2005年3月8日発売
* フルアルバム『Get Closer』 (ASPA-4) 2006年9月8日発売

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