SAE International

SAE International（SAEインターナショナル）

SAE International（SAEインターナショナル）は、米国に拠点を置く非営利団体であり、モビリティ技術の専門家を対象とした組織です。1905年に自動車技術者団体として設立され、その後の発展を経て、現在では約9万人を超える会員が全球の100か国以上から参加しています。この団体の主な目的は、自動車および航空宇宙関連の技術の標準化と技術者の育成にあります。

概要

SAEの正式名称はSociety of Automotive Engineers, Inc.（ソサエティ・オブ・オートモーティブ・エンジニアズ・インク）で、現在「SAE International」を主に使用されています。設立当初は自動車業界の技術者が集まる団体でしたが、1916年には「オートモーティブ」と呼ばれる幅広いモビリティ技術の標準化を進めることを目的とするようになりました。SAEは自動車、トラック、航空機、船舶など、あらゆる自力推進機械のエンジニアリングの標準化を行います。

事業内容

SAEは自動車や航空宇宙関連の技術を中心に、様々な分野での標準化を推進しています。具体的な活動としては、日本語で「モビリティ技術」と表現されるように、陸、海、空の「自力で推進する乗り物」すべてを対象にした研究や標準の制定があります。また、技術者間の情報交換を促進する場としての勉強会やシンポジウムも定期的に開催されています。

標準化活動の中で特に有名なのが、SAE馬力（SAE net horsepower）という自動車の馬力単位や、自動車用油の分類の標準です。これらはアメリカ国内外で広く認知されています。

教育活動とイベント

SAEは教育的活動にも注力しており、専門分野における研修プログラムが提供されています。450以上の専門分野にわたるトレーニングプログラムがあり、技術者や学生への教育が行われています。また、「SAE World Congress」や「SAE AeroTech Congress」などの大規模なイベントを通じて、技術者は最新の情報を共有し、経験を積む機会が提供されています。

フォーミュラSAEとバハSAE

特に学生メンバーを対象とした競技として、「フォーミュラSAE（Formula SAE）」や「バハSAE（Baja SAE）」があります。これらのイベントでは、学生がチームを組んで自動車の設計・製作を行い、競技を通じて技術と経験を磨くことができます。フォーミュラSAEは、世界中の大学から参加があり、次世代のエンジニアにとって重要な経験の場となっています。

メンバーシップ

メンバーシップは技術者だけでなく、企業の役員や教育者、学生も含まれます。年会費はプロフェッショナルメンバーが100ドル、学生メンバーが10ドルで、学生にとって手頃な価格で加入できる機会が提供されています。このユーザー同士が情報を交換できる場としての役割がSAEには求められています。

国際的な広がり

1948年には米国の自動車技術者団体として国際的な影響を持つようになり、自由な技術交流を促進してきました。SAEインターナショナルは、米国以外にもカナダ、メキシコ、ブラジルなど多様な国で広がりを見せ、四分の一が北米以外の会員によって構成されています。

まとめ

SAEインターナショナルは、自動車と航空宇宙技術の標準化の重要な役割を果たす団体として、技術者や学生に対する教育プログラム、各種発表イベント、国際的な協力を通じて、モビリティ技術を実践的に推進しています。自動車技術者や関連情報の共有を通じて、新たな技術の発展を促し続けています。

もう一度検索