SAND BEIGE -砂漠へ-

SAND BEIGE -砂漠へ-

中森明菜が1985年にリリースした「SAND BEIGE -砂漠へ-」は、彼女の12枚目のシングルであり、独特の音楽性を持った作品として多くのファンに愛されています。シングルは6月19日にワーナー・パイオニアのリプリーズ・レコードから発売されました。

背景と制作

この楽曲は、都志見隆が作曲を担当し、歌詞は許瑛子によって作成されました。アレンジには井上鑑が加わり、シングルデビュー作である許にとって特別な意味を持つ楽曲となりました。「SAND BEIGE」というタイトルには、「砂漠」のイメージが反映されています。歌詞には、写真集や旅行ガイドブックから得た情報を基に、別れの旅をテーマにした内容が盛り込まれています。

特筆すべきは、サビ部分に含まれるカタカナのフレーズ「アナ アーウィズ アローホ」で、これはアラビア語のエジプト方言に基づき、「私は〜に行きたい」といった意味が込められています。このような異文化の要素を取り入れたことが、この楽曲に独特の情緒を与えています。また、ジャケット写真はフィリピンのマニラで撮影されています。

音楽的特徴と批評

「SAND BEIGE -砂漠へ-」はサハラ砂漠をテーマにした曲であり、異国情緒や中森の個性が見事に調和しています。音楽批評誌『CDジャーナル』では、「何を歌っても様になってしまうのがすごい」と評されています。また、別冊ザテレビジョンでは、楽曲の音楽性について「中近東風」と指摘されています。

チャート成績

このシングルは音楽チャートでも高評価を得ており、オリコン週間シングルチャートでは1985年7月1日に初登場し、最高順位1位を獲得しました。その後、16週間にわたってチャートにランクインし、1985年度のオリコン年間シングルチャートでは7位にランクインしています。また、TBS系の音楽番組『ザ・ベストテン』でも5週連続で最高順位2位を記録し、大人気となりました。

ライブパフォーマンス

「SAND BEIGE -砂漠へ-」は1985年から始まったコンサートツアー「BITTER & SWEET」で披露され、その後も様々なライブイベントで中森が歌唱しています。また、『ザ・ベストテン』や『夜のヒットスタジオDELUXE』などの音楽番組においてもパフォーマンスされ、特に1985年8月1日放送の『ザ・ベストテン』では、スーダン出身の民族音楽家ハムザ・エル＝ディーンを迎えて歌詞解説やウードによる前奏も披露されました。

追加で収録されたB面の「椿姫ジュリアーナ」は松本一起の作詞、佐藤隆の作曲によるもので、こちらも井上によるアレンジが施されています。

まとめ

「SAND BEIGE -砂漠へ-」は中森明菜のキャリアを代表する楽曲の一つであり、その独特な音楽スタイルと力強い歌声で多くのファンを魅了し続けています。彼女の音楽の魅力を感じる上で、この曲は欠かせない一曲と言えるでしょう。

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