SAPIX小学部とは
SAPIX小学部(サピックスしょうがくぶ)は、難関中学への受験を目指す小学生を対象とした
学習塾です。2012年からは、
代々木ゼミナールの関連
会社である株式
会社日本入試センターが運営しています。
歴史
1989年6月、SAPIXは東京校と杉並校の2校からスタートしました。当初は株式
会社ジーニアス研究所が経営し、その後、株式
会社ジーニアスエデュケーションへと引き継がれました。
SAPIXの設立は、既存の塾(主にTAP進学教室)に所属していた講師たちが、その運営方針に不満を抱き独立したことがきっかけです。決して華々しいスタートではありませんでしたが、TAPで上位クラスを担当し、その名を知られていた算数、国語、理科、社会の主要講師がSAPIXへ移籍。それに伴い、多くの生徒もSAPIXに移ったため、設立当初から難関校受験において高い合格率を誇っていました。
創業者はベンチャー企業として経営を続けていましたが、2010年5月には全株式が
代々木ゼミナールの関連
会社である株式
会社日本入試センターに譲渡され、
代々木ゼミナール関係者が経営を引き継ぎました。この経営交代は、創業者の一人である奥田前社長の定年退職と時期が重なり、2011年2月までに創立に関わった関係者や生え抜きの取締役は経営から退きました。
代ゼミグループ入り後も、大きな変化は見られず、京阪神地区への校舎展開や、本社機能の移転などが主な動きです。SAPIXブランドの再編については、SAPIXの項目を参照してください。
近年は、他社との提携も活発化しています。2011年12月には
小田急電鉄と提携し、同社の「小田急こどもみらいクラブ」にSAPIXの学童保育部門「ピグマキッズ」の教材・スタッフを提供しています。また、2012年3月には進学会と提携し、進学会の札幌市内の教室で「SAPIXメソッドコアマスターコース」を開設しました。
校舎
SAPIXの校舎展開は、他の塾と比較して特徴的です。多くの塾が細かく校舎を展開するのに対し、SAPIXはターミナル駅周辺に校舎を構えるのみです。しかし、近年は拡大路線を採っており、毎年数校舎ずつ新設しています。
1つの校舎の規模は非常に大きく、1学年につき10コース以上を設置する校舎も珍しくありません。大規模校舎では1学年あたり15~20コース設置されることもあります。新設校舎でも2~3コースを設置するのが一般的です。
コース
コースは、マンスリーテストや組分けテストの成績に基づいて決定されます。これらのテストにより、コースは頻繁に入れ替わります。マンスリーテストには「マンスリー確認テスト」と「マンスリー組分けテスト」があり、それぞれ移動できる範囲が異なります。
コース名は下位コースから順にアルファベット順に名付けられ、上位コースは最上位コースから順に「α1・α2…」と続きます。創業当初は、上位半分を「αに添え字」、残りを「βに添え字」として区別していました。
現在、αコースとなるのは概ね上位10~15%のコースです。この基準は校舎内での順位で決まります。コースによる授業内容の差は、広報などでは「掘り下げの深さが異なる」と説明されています。
授業・教材
SAPIXでは、復習を特に重視しています。予習は一部の知識学習を除いて非推奨とされ、教材は原則として当日配布されます。5年生以降では、B授業で新しいことを学習した後、デイリーチェックや基礎力定着テストで定着度を確認します。
教材を分冊形式にし、予習をさせないことで、授業に集中させることが狙いです。小学生が予習をするのは非効率であり、予習をするならばその分を復習に充てるべきだと考えられています。
授業はスピードが速く、休憩時間は昼食を除き原則ありません。テキストは多くの演習問題で構成されています。かつては問題を羅列しただけに近いものでしたが、2000年頃から家庭での自習を意識した構成が取り入れられました。
授業後には多くの復習(家庭学習)が求められます。講師が必要と判断した場合は課題が課されますが、基本的には家庭学習です。授業後には質問教室が用意されており、講師が質問に答えます。
小テスト
毎週、デイリーチェックという前回の内容の確認テストがあります。また、五年生の10番テキストからは、理科と社会でコアプラス確認テストという小テストがあります。
出版物
算数の分野別問題集、社会の地理(アトラス地図帳)、歴史カード、重大ニュース、理社コアプラス、言葉ナビ、漢字の要、国語の要など、様々な出版物を発行しています。
2007年6月21日、
松谷みよ子・
谷川俊太郎・
五味太郎をはじめとする
作家・
詩人が、SAPIXと希学園が発行している問題集に、許可なく作品を掲載されたとして、
著作権侵害で両社を訴えました。
関連項目
SAPIX中学部
Y-SAPIX
四谷大塚
日能研