SARSコロナウイルス2-アルファ株

SARSコロナウイルス2-アルファ株の概要

SARSコロナウイルス2-アルファ株（英名: SARS-CoV-2 Alpha variant）は、新型コロナウイルス感染症（COVID-19）の原因となるSARSコロナウイルス2の変異株です。この亜種は、イギリスで初めて発見されたため、一般的には英国型変異株と呼ばれています。アルファ株としても知られるこの変異株は、感染力の増加と一部では重症化リスクの上昇が指摘されていますが、専門家の中には明確な根拠が不十分とする意見もあります。

経緯と発見

アルファ株は2020年11月にイギリスで初めて確認され、最初のサンプルはCOVID-19流行の拡大中に遡ります。2020年9月に採取されたサンプルが、この変異株の存在を示しています。この変異株は特にスパイクタンパク質に多くの変異が見られ、従来のウイルス株と比較して感染力が36%から75%増加するとされています。2021年初頭には、イギリスでの感染が顕著に拡大し、同国の感染症対策にも影響を与えました。

イングランド公衆衛生庁はE484K変異を持つアルファ株の一部を検出し、この変異がワクチンの効果に影響を与える可能性があると警告しています。アルファ株の迅速な拡大は、国際的な監視と感染症対策の強化を必要とする事態を引き起こしました。

変異と分類

SARS-CoV-2アルファ株（系統B.1.1.7）は、遺伝子的には特に14の異なる変異や3つの欠失を有しています。これらの変異は、ウイルスの感染力や免疫逃避能力に影響を与える可能性があります。変異株の命名は、最初は「2020年12月の調査中の最初の変異株」との呼称で始まりましたが、その後「懸念される変異株」として再分類され、WHOによるギリシャ文字命名の新方針に基づき「アルファ株」と名付けられました。

感染拡大の状況

2021年3月時点で、アルファ株は125カ国以上で確認されており、特にイギリスではCOVID-19の感染症例の多くがこの変異株によって引き起こされていることが明らかになっています。イギリスでは、12月には全体の60%近くの感染がアルファ株に起因しているとの推定もあります。他の国々でも次々に確認され、形成庁の報告では、さまざまな地理的地域での流行が観測されています。

ワクチンと抗体の反応

アルファ株の出現により、ワクチンの効果についても多くの懸念が寄せられましたが、時点的には現行のワクチンが従来の株と同様に効果的であるとの見解も広がっています。2020年末時点で、ワクチンの開発者は新たな変異に適応可能とされ、新しいデータが収集される中でワクチン効果への影響について引き続きモニタリングが行われています。免疫回避に関する結論は早急に出すことはできないとの意見もあり、ワクチン接種プログラムの継続が推奨されています。

まとめ

SARSコロナウイルス2-アルファ株は、最初にイギリスで確認され、世界中で急速に広がっています。感染力の増加が懸念されており、重症化リスクの上昇についても注意が必要です。ワクチンの効果についても引き続き調査が行われ、多数の国での感染動向や変異株の影響についても関心が寄せられています。今後も変異株への監視と対策を強化することが重要です。

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