SARSコロナウイルス2-イータ株

SARSコロナウイルス2-イータ株 (Variant B.1.525)

概要

SARSコロナウイルス2イータ株は、2020年12月にイギリスとナイジェリアで初めて確認された新型コロナウイルス感染症（COVID-19）の変異株です。この株は、世界保健機関（WHO）によって注目すべき変異株として指定されていたものの、2021年9月にそのリストから外れました。イータ株は、また系統B.1.525とも呼ばれています。

分布

イータ株は、2021年3月5日までにヨーロッパ、アメリカ、オーストラリア、シンガポールなど23か国で確認されました。特に、ナイジェリアではサンプル中で最も高い頻度で報告され、2021年2月24日にはイギリスで56例が確認されたことが記録されています。デンマークでも、1月14日から2月21日までの間に113症例が検出され、その一部はナイジェリアへの訪問と関連しています。

変異と特徴

イータ株は、アルファ、ベータ、ガンマの各変異株で確認されているN501Y変異を持たず、E484K変異を含むいくつかの特異な変異を持っています。このE484K変異は、主にベータ、ガンマ、ゼータ変異株で見つかったもので、追加でN439KやΔH69/ΔV70欠失なども持ち合わせています。特に注目される点は、イータ株がE484K変異とフェニルアラニンからロイシンへの置換を伴うF888L変異を共に保有している点です。これにより、同変異株は他の株とは異なる挙動を示す可能性があると懸念されています。

日本における状況

日本においては、厚生労働省が2021年9月9日に2020年12月以降の検疫でイータ株の感染者が18人確認されたと報告しています。これらの情報は日本における変異株の監視と確認の重要性を示唆しています。

研究の進展

イギリスの専門家たちは、イータ株がもたらすリスクについての研究を続けており、その結果によっては今後の変異株の分類が変わる可能性もあります。例えば、イングランド公衆衛生庁（PHE）はイータ株を現在のところ調査中の変異株と位置づけているものの、さらなる調査結果によっては懸念される変異株に分類されることも考えられます。ケンブリッジ大学の教授であるRavi Gupta氏は、イータ株には他の変異株に見られる「重要な突然変異」が存在するとしながらも、それらの影響はある程度予測可能であるため、安心できる部分もあると述べています。

まとめ

SARSコロナウイルス2イータ株は、複数の国で確認された新たな変異株であり、世界的にその影響を注視する必要があります。特に、他の変異株と異なる特徴を持つことから、今後の研究と監視が重要です。これに加え、イータ株が日本や世界でどのように広がるかを見極めるため、引き続き注意が必要です。

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