SAS-2

SAS-2（Second Small Astronomy Satellite、Explorer 48）は、アメリカ航空宇宙局（NASA）によって打ち上げられたガンマ線観測衛星です。1972年11月15日に、近地点443km、遠地点632kmの地球軌道へと投入され、1973年6月8日まで観測を実施しました。

打ち上げと機体

SAS-2は、ケニア沿岸のサン・マルコ・プラットフォームから、ほぼ赤道軌道へと打ち上げられました。この衛星は、直径約59cm、高さ約135cmの円筒形をしており、4枚の太陽電池パネルを装備していました。これらのパネルは、6アンペア時のニッケル・カドミウム蓄電池を充電し、衛星本体と観測機器に必要な電力を供給しました。衛星は、スピン安定方式を採用しており、磁気トルクによって姿勢を制御することで、観測軸を任意の方向に1度以内の精度で向けることが可能でした。観測機器の軸は衛星本体と同期しており、望遠鏡は±30度の開口部で全天のあらゆる方向を観測できました。通常の回転速度は1/12rpmです。

データ収集と伝送

観測データは1000bpsの速度で取得され、衛星に搭載されたテープレコーダーに記録されると同時に、リアルタイムで地上に送信されました。記録されたデータは、1周回ごとに送信され、これには約5分を要しました。

観測期間と成果

望遠鏡による観測は1972年11月20日に開始され、同年11月27日には衛星は完全に運用状態に入りました。しかし、1973年6月8日に低電圧の電力供給が途絶え、それ以降、科学的に有意なデータは得られなくなりました。

SAS-2の特筆すべき成果として、約30万年前に爆発した超新星の残骸と考えられているパルサー「ゲミンガ」を初めて発見したことが挙げられます。この発見は、宇宙における高エネルギー現象の理解を深める上で重要な貢献となりました。

関連事項

ウフル（SAS-1）
SAS-3

出典

本記事の内容は、NASAの国立宇宙科学データセンター（National Space Science Data Center）のSAS-Bに関する情報を元に加筆・修正を行っています。

NASA's National Space Science Data Center SAS-B

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