SATySFi

SATySFi（サティスファイ）は、諏訪敬之氏によって開発されたクロスプラットフォーム対応の組版処理システムです。正式名称は「Static Analysis-based TYpesetting System for Functional Implementation」であり、その名の通り、静的解析に基づいた型付けシステムを特徴としています。

このシステムは、IPA（情報処理推進機構）の2017年度未踏IT人材発掘・育成事業において採択され、その支援を受けて開発が進められました。SATySFiは、単なる組版ツールに留まらず、文書作成における新しいアプローチを提案しています。

SATySFiの特徴

静的型付け

SATySFiの最大の特徴は、静的型付けを採用している点です。これにより、文書の記述における柔軟性と可読性が向上し、組版処理を行う前に詳細なエラー報告が可能になります。従来の組版システムでは、実行時にエラーが発生することが多かったのに対し、SATySFiでは、より早い段階で問題を特定し、修正することができます。

構文

SATySFiの構文は、文書を記述する部分とコマンドを定義する部分の二つに分かれています。文書記述部分は、La[[TeX]]に似た構文を採用しており、既存のLa[[TeX]]ユーザーにとっても比較的馴染みやすい設計となっています。一方、コマンド定義部分は、関数型言語であるOCamlやF#に似た構文で、組版処理に必要な基本型が提供されています。この構造により、高度な組版処理を柔軟に記述することが可能です。

出力形式

組版処理の結果として、PDF形式での出力はもちろん、HTMLやLa[[TeX]]などのテキスト形式での出力にも対応しています。これにより、様々な媒体や用途に合わせて柔軟に対応することができます。

まとめ

SATySFiは、静的型付けによるエラーの早期発見、柔軟な記述、多様な出力形式対応により、従来の組版システムにはない新しい可能性を秘めたシステムです。関数型言語の要素を取り入れた構文は、より洗練された組版処理を可能にし、プログラミングの知識を持つユーザーにとって、非常に強力なツールとなるでしょう。

関連項目

関数型言語

外部リンク

SATySFi - GitHub
* SATySFi Wiki

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