SDガンダム GGENERATION

SDガンダム GGENERATION シリーズ

『SDガンダム GGENERATION』（エスディーガンダム ジージェネレーション）シリーズは、人気アニメ作品「ガンダムシリーズ」の世界観を基にしたウォー・シミュレーションゲームです。プレイヤーは自らの部隊を編成し、ガンダムの歴史における様々な戦場を追体験、あるいは介入していきます。その親しみやすいデフォルメされたキャラクター表現と、戦略性の高いゲームシステムから、「Gジェネ」「ジージェネ」の通称で広く知られています。

シリーズの成り立ちと進化

本シリーズの歴史は、1998年にPlayStation向けに発売された第1作『SDガンダム GGENERATION』から始まりました。その源流は、スーファミターボ用ソフト『SDガンダムジェネレーション』シリーズや、同じくトムクリエイト開発の『SDガンダムエモーショナルジャム』に遡り、これらのシステムの流れを汲んで本作の基本システムが確立されました。開発は長らくトムクリエイトが担っていましたが、作品によってはヴァンガードが手掛けており、両者でシステムに差異が見られます。発売元はバンダイからバンダイナムコゲームス（現：バンダイナムコエンターテインメント）へと変遷しています。

同じガンダムを題材としたシミュレーションゲームである『機動戦士ガンダム ギレンの野望』シリーズが戦争全体のリアルな戦略を描くのに対し、『GGENERATION』シリーズは個々の戦術的な局面に焦点を当てています。SDガンダムの表現を用いながらも、単なるコミカルな作品にとどまらず、各作品のドラマや戦闘を丁寧に再現。比較的容易な操作性から、シミュレーションゲーム初心者でも気軽に楽しめる間口の広さも特徴です。また、ゲーム独自のオリジナル設定を持つユニットやキャラクターが登場することも、シリーズを通しての魅力となっています。

基本システム

多くの作品で共通するシステムとして、敵ユニットを特定の条件で「捕獲」し、自軍の戦力として活用できる点が挙げられます。捕獲したユニットはそのまま運用するだけでなく、解体して資金やパーツにすることも可能です。

プレイヤーが操作するユニットは「自軍」と「ゲスト軍」に分かれます。ゲスト軍はステージごとに設定された原作キャラクターやユニットで、そのステージ限りで運用されるのが基本です。一方、自軍はプレイヤーが自由に編成し、継続して育成・運用する部隊となります。自軍ユニットやキャラクターの経験値や強化状況は次のステージに引き継がれるため、長期的な育成計画が重要です。作品によっては、ゲストとして登場する原作キャラクターを特定の条件で自軍に編入することも可能です。

シリーズ作品では、ユニットのレベルを上げることでより強力な別の機体へと変化させる「開発」や、複数のユニットを組み合わせて新たな機体を生み出す「設計」（ヴァンガード系列では「分解」とパーツを用いた機体獲得が主）といったシステムを通じて、自軍の戦力を拡充していきます。

トムクリエイト系列の特徴と主な作品

トムクリエイトが開発する系列は、『SDガンダムジェネレーション』の流れを汲んでいます。シナリオは主に原作沿いの展開が多く、特に初期作品は宇宙世紀の時系列に沿って物語が進みました。後期の作品では、複数の原作シナリオから自由に選択できるマルチシチュエーション形式が主流となります。

PS期 (初代, ZERO, F, F.I.F): シリーズの基礎を築き、膨大なユニット数と作品収録を誇りました。特に『F』は当時の映像作品、小説、漫画など多数の出典を網羅し、その収録作品数はシリーズ随一です。志願兵システムによるオリジナルキャラクターの加入、レンタルキャラクター、テンションシステム、ACE登録などのシステムが登場しました。『F.I.F』は『F』のアペンドディスク的な位置づけで、多種多様なチャレンジステージが追加されています。
PS2期 (NEO, SEED, SPIRITS): プラットフォームがPS2に移行し、戦闘シーンが3D化されるなどグラフィックが大幅に強化されました。『NEO』はシリーズ初のオリジナルシナリオ、『SEED』は『機動戦士ガンダムSEED』のストーリー再現に特化しつつクロスオーバー要素も盛り込まれています。『SPIRITS』は宇宙世紀作品に限定し、ユニットグラフィックの刷新や戦艦システムの深堀りなど、演出とシステム両面で強化が図られました。
PSP/Wii/3DS期 (PORTABLE, WARS, WORLD, 3D, OVER WORLD): 携帯機やダブルプラットフォームでの展開が進みます。『PORTABLE』は『F』のシステムをベースにシナリオが復活。『WARS』『WORLD』『OVER WORLD』では、特定の条件で敵増援が出現し、ゲーム展開が変化する「ブレイク」システムを導入。クロスオーバー要素がより強調されました。『WORLD』『OVER WORLD』はオリジナルストーリーも展開。『3D』はニンテンドー3DS向けに複座システムや精神コマンドといった新要素を導入しています。
HD期 (GENESIS, CROSS RAYS): PS4、PS Vita、Nintendo Switch、PCへとプラットフォームが移行。ユニットが3頭身化し、演出もフル3D化されます。『GENESIS』は宇宙世紀作品に特化し、『SPIRITS』をベースとした原作再現型に回帰。『CROSS RAYS』は非宇宙世紀作品に特化し、遊撃グループやアビリティGETシステムなど独自のシステムも導入しました。

ヴァンガード系列の特徴と主な作品

ヴァンガードが開発する系列は、『SDガンダムエモーショナルジャム』の流れを汲んでいます。主に携帯機で展開され、ゲームオリジナルのクロスオーバーシナリオを基本とする作品が多いのが特徴です。

WS期 (GATHER BEAT, GATHER BEAT2, モノアイガンダムズ): ワンダースワン、ワンダースワンカラーで展開されました。『GATHER BEAT』シリーズは多作品の要素を組み合わせたオリジナルシナリオ。『モノアイガンダムズ』では明確なオリジナル主人公を設定し、モノアイを持つガンダムタイプMSが物語の中核を担うなど、オリジナル要素の強い作品です。
GBA/DS期 (ADVANCE, DS, CROSS DRIVE): ゲームボーイアドバンス、ニンテンドーDSで展開。『ADVANCE』は『GATHER BEAT』のリメイク的な側面も持ちます。『DS』は『モノアイガンダムズ』のストーリーをジオン側視点から描くなどアレンジが加えられ、複数のルートが用意されました。『CROSS DRIVE』はDS向けに合体攻撃などの新システムを導入しましたが、ヴァンガード系列の特徴であったIFストーリー要素は控えめになっています。

その他の展開とオリジナル設定

本シリーズは家庭用ゲーム機以外にも、携帯電話・スマートフォン向けアプリやPC向けのタイピングゲームなど、多角的な展開を見せています。特にアプリゲームでは、他プレイヤーとの協力・対戦要素や期間限定イベントの開催など、プラットフォームの特性を活かした試みが行われています。

また、シリーズ独自の要素として、ゲームオリジナルの機体やキャラクターが多数登場します。既存機体の派生形や、ハルファスガンダム、コード・フェニックス、アプロディアといったオリジナルストーリーの根幹に関わるキャラクターなど、作品ごとに様々なオリジナル要素が物語を彩ります。

シリーズの現在

家庭用シリーズは『CROSS RAYS』以降、新作の情報は途絶えていましたが、2025年にはスマートフォン向け新作アプリ『SDガンダム GGENERATION ETERNAL』のサービス開始が予定されており、引き続き多くのガンダムファンに愛されるシリーズとして展開が期待されています。

様々な時代のガンダム作品が集結し、プレイヤー自身が歴史に介入できる『SDガンダム GGENERATION』シリーズは、ガンダムという広大な世界をゲームで深く楽しむための基幹となる存在と言えるでしょう。

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