SDU

特別任務連（飛虎隊）

香港警察機動部隊に所属する特殊部隊、特別任務連（Special Duties Unit, SDU）は、別名「飛虎隊」として知られています。その任務は対テロ作戦にとどまらず、密入国・密貿易の取締り、麻薬摘発、人質救出、銃器犯罪の鎮圧など多岐に渡ります。香港政府が独自の軍事組織を持たないことから、準軍事的な任務も担う重要な存在です。日本の警察特殊急襲部隊SATと類似した役割を担っており、高い能力と訓練水準を誇ります。

設立と歴史

1970年代、観光貿易都市として発展した香港はテロの標的になりやすい環境にありました。1971年のフィリピン航空ハイジャック事件を契機に、テロ対策能力の強化が急務となりました。既存の「射手分隊」を統合する形で、1974年7月、SDUが創設されました。

イギリス統治下での設立という歴史的背景から、選抜方法や装備、訓練などはイギリス陸軍特殊部隊SASの影響を強く受けています。アジアの警察特殊部隊の中でもトップクラスの実力を持つ部隊として知られており、定年制はありません。

かつては「水鬼隊」と呼ばれる水上部隊も存在していました。これはイギリス海兵隊特殊部隊SBSの訓練を受けた隊員で構成され、長時間潜水後の作戦遂行を専門としていました。しかし、現在は飛虎隊と統合され、陸上・水上を問わず任務を遂行しています。

任務と装備

SDUの主な任務は、既に述べた通り、対テロ作戦、密入国・密貿易取締り、麻薬摘発、人質救出、銃器犯罪鎮圧など多岐に渡ります。香港返還後も装備や編成は変わらず、ガスマスクまたは覆面を着用して任務に当たります。

使用される武器は、グロック17、グロック19、H&K MP5シリーズ、SIG SG516/556、H&K G36、H&K HK53、SR-25、AXMC.338、レミントンM700、CS/LR4、AS50、SIG SSG3000、レミントンM870、ベネリM1など、多様な銃器と装備を保有しています。

主な事件

SDUは数々の事件で活躍してきました。

1992年の荃湾区での銃撃戦：AK-47などで武装した強盗団6人と交戦。SDU隊員を含む複数名が負傷するも犯人を逮捕し、隊員らは表彰されました。この事件は映画『ファイナル・オプション/香港最終指令』として映画化されています。
2002年、2003年の省港旗兵の逮捕劇：長年逃亡していた武装強盗団のリーダー格らを逮捕しました。
2014年の啓晴邨立て籠もり事件：人質立て籠もり事件に出動し、事件の解決に貢献しました。
2019年のクライストチャーチモスク[[銃乱射事件]]：ニュージーランド警察の訓練を受けていた隊員が現地に派遣されました。
2019年の香港理工大学事件：逃亡犯条例反対デモの最中、理工大学に突入する隊員の姿が目撃されています。

SDUが登場する作品

SDUは数多くの映画やゲーム作品にも登場し、その存在感を示しています。

映画『香港国際警察/NEW POLICE STORY』
映画『重装警察』
映画『ファイナル・オプション/香港最終指令』
映画『香港スワット・野獣たちの陰謀』
映画『FIRST OPTION 飛虎』
ゲーム『スリーピングドッグス 香港秘密警察』
ゲーム『レインボーシックスシージ』

まとめ

特別任務連（飛虎隊）は、高い訓練と装備、そして数々の実績を持つ、アジアを代表する警察特殊部隊です。その存在は香港の安全保障に不可欠であり、今後もその活躍が期待されています。

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