SHOEI

株式会社SHOEIの概要と歴史

株式会社SHOEI（ショウエイ）は、東京都台東区に本社を構えるヘルメット製造企業で、日本のモータースポーツ界でも広く認知されています。1954年に鎌田栄太郎が鎌田ポリエステルを創業し、1959年に昭栄化工株式会社を設立しました。この会社がオートバイ用ヘルメットの製造に乗り出したのは、1960年のことです。当初、鎌田は新橋で経営していた旅館を利用していた本田技研工業の社員から外国製ヘルメットに対する不満を耳にし、リヤカーで製品を運んで納品していました。

1965年には、本田技研工業の純正ヘルメットにSHOEI製が採用され、1698年には茨城に工場を建設し、アメリカにも現地法人を立ち上げました。1980年代には世界有数のヘルメットメーカーに成長し、1986年にはCKデザインの佐々木和夫を技術顧問に迎え、快適性や風切り音、換気性の向上に努めました。これにより、SHOEIのヘルメットはオフロードにも対応するようになりました。

1992年には、度重なる経営問題から会社更生法の適用を申請し、三菱商事の支援により再生手続きを進めました。1998年には現在の株式会社SHOEIに改名し、その後、ジャスダックに上場。2007年には東京証券取引所の2部に上場し、2015年には第一部に昇格しました。

モータースポーツとの関係

SHOEI製ヘルメットは、オートバイレース界で非常に高い評価を受けています。特に、モリワキエンジニアリングとの関係が深く、多くの所属ライダーがSHOEIのヘルメットを愛用しています。1983年からはロードレース世界選手権（現MotoGP）に進出し、1991年には世界チャンピオンを獲得したワイン・ガードナーも長くSHOEIのヘルメットを使用していました。

また、著名なライダーであるエディ・ローソンも、1987年にSHOEIとの契約を結び、その使用において風切り音の少なさを評価しました。SHOEIの技術者たちは、ローソンの意見を真摯に受け止め、後のモデル「X-8」の空気抵抗を減らす設計に生かされました。

SHOEIは二輪レースだけでなく、四輪レースでも顧客を増やし、F1にも参戦しています。過去にはアラン・プロストやミハエル・シューマッハ、アイルトン・セナなど、名だたるドライバーがSHOEIのヘルメットを着用していました。

製品ラインナップ

SHOEIのラインナップには、フルフェイスヘルメット、フリップアップ、オープンフェイス、オフロード用など多様な種類が揃っています。

• - フルフェイス: X-Fifteen, GT-Air II, Z-8, Glamster, EX-ZERO, OPTICSON (HUD搭載ヘルメット)
• - フリップアップ: NEOTEC3
• - オープンフェイス（ジェット）: J-FORCE IV, J-Cruise II, J・O
• - オフロード・トライアル: VFX-WR, HORNET ADV, トライアルなど

メモリアルなエピソード

2011年の東日本大震災では、SHOEIの茨城と岩手の両工場が被災し、損害額は6300万円に達しました。これを乗り越え、現在もSHOEIは高品質なヘルメットの製造を続けています。SHOEIは、二輪車だけでなく航空機用ヘルメットも取り扱っており、主に自衛隊向けに製品を提供しています。これにより、SHOEIは多岐にわたる分野で利用されているブランドとなっています。

SHOEIの歴史は、常に技術革新とともに進化を遂げてきました。これからも、安全性と快適性を追求し続けることでしょう。

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