SHOXX

SHOXX：ヴィジュアル系音楽シーンを牽引した伝説の音楽誌

1990年10月、音楽専科社から創刊された『SHOXX』（ショックス）は、日本のヴィジュアル系音楽シーンに多大な影響を与えた音楽専門誌として知られています。雑誌名は、当初『SHOCKS』として構想されましたが、よりインパクトのある名前にしようと、海外アーティストのサインにヒントを得て『SHOXX』に決定しました。

雑誌のコンセプトは「VISUAL ＆ HARD SHOCK MAGAZINE」。 X JAPANのアルバム『BLUE BLOOD』に収録されているスローガン「PSYCHEDELIC VIOLENCE CRIME OF VISUAL SHOCK」から着想を得ており、ヴィジュアル系バンドの音楽性やビジュアルを深く掘り下げた記事が特徴でした。

創刊に携わった星子誠一氏は、X JAPANの武道館ライブに衝撃を受け、彼らのようなアーティストを特集する雑誌を作ることを決意。当時、別の音楽誌の編集部で働いていた彼は、海外アーティストとのインタビュー業務に虚無感を抱いており、ゼロから新しい雑誌を作りたいという強い意志を持っていました。

創刊当初は隔月刊でしたが、1997年12月号より月刊誌となり、多くのヴィジュアル系バンドを特集。独自の企画やイベントを積極的に展開し、音楽シーンを盛り上げました。特に「ヴィジュアル系」という言葉の浸透に大きく貢献したとされています。

誌面は、アーティストへのインタビューやライブレポート、写真、コラムなど多岐に渡り構成。ミュージシャン自身が執筆するコラムコーナー「ARTIST'S BOX」は人気を博し、多くのアーティストが参加しました。連載コラムには、彩冷える・葵、Plastic Tree・長谷川正、Mix Speaker's,Inc.・seek、己龍など、そうそうたるメンツが名を連ねています。

また、『SHOXX』は、音楽ソフトやライブイベントのプロデュースにも積極的に関わっていました。これにより、ヴィジュアル系バンドの活動支援にも貢献し、シーンの発展を支えました。

代表的なイベントとして、年数回開催された「SHOCK WAVE」や、毎月開催された「SHOCK WAVE アポロ」が挙げられます。これらのイベントは、多くのヴィジュアル系ファンにとって、アーティストと直接触れ合う貴重な機会となりました。さらに、企画CDのリリースや通信販売サイトなども展開していました。

2016年9月、音楽専科社の事業停止に伴い、『SHOXX』は一旦廃刊。多くのファンに惜しまれつつ幕を閉じました。しかし、2017年2月には「SHOXX Special復刊準備号」が発売されるなど、完全な終焉とは言えず、復活を期待する声も少なくありませんでした。

『SHOXX』は、単なる音楽誌としてだけでなく、ヴィジュアル系音楽シーンの隆盛を支え、その歴史を刻んだ重要な媒体でした。多くのアーティストや関係者、そしてファンにとって、かけがえのない存在であり続けています。編集スタッフ、デザイナー、カメラマン、ライター、イラストレーターなど、多くの才能が集結し、雑誌を支えました。印刷は凸版印刷株式会社が行っていました。

関連事項としては、音楽専科社、HOT WAVE (テレビ埼玉)、EXPECT RUSH、SHOXX bis、SHOXX EX、SHOCK WAVE、glitter pop、8ビート・GAGなどが挙げられます。 公式サイトやSNSアカウントも存在していましたが、現在は閉鎖されています。

SHOXXは、日本のヴィジュアル系音楽史に燦然と輝く一ページとして、永遠に記憶されることでしょう。

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