SIG SAUER M17

SIG SAUER M17とM18の概要

SIG SAUER M17は、アメリカ軍の制式逼用拳銃として2017年に採用されたモデルで、SIG SAUER P320をベースに開発されました。この拳銃には、フルサイズのM17と短銃身のコンパクトモデルM18が存在します。

採用経緯

M17/M18は、アメリカ軍が従来使用していたベレッタM9を置き換える形で選ばれました。選定にあたり M17は、より優れた精度と人間工学に基づいたデザインを有しており、散布界が狭いことが評価されました。この結果、アメリカ陸軍や海軍、海兵隊、空軍、そして宇宙軍など、多くの軍種に採用されることとなりました。色はコヨーテブラウンとブラックの2種類があるものの、生産されているほとんどのモデルはコヨーテブラウンです。

P320からの改修

M17およびM18は、P320をベースにしつつ以下の改良が施されています。主な改修点は次の通りです。

• - 光学照準器を容易に取り付けるためのスライド上カットアウト
• - 両側操作可能なサムセーフティの追加
• - ローディングインジケーターの装備
• - 小部品の保持を改善するためのスライドサブアセンブリ
• - 異物侵入を防止するマッドフラップの改善
• - M17は120mmのバレル、M18は98mmのバレルを採用
• - 9mm NATO弾専用の設計（他口径には変更不可）
• - 標準で17発、オプションで21発のマガジンが利用可能
• - 耐腐食性仕上げやフィールドストリッピングの制限など、安全性の向上が図られています。

これらの改善により、より多様な状況での使用に対応できる設計となっています。

米軍における配備

従来、米軍は一般的にトリガーを持つライフルと拳銃の二手装備という形が多かったですが、M17の配備により士官や分隊班にも拳銃が支給され、近接戦闘での選択肢が増えています。2027年までに全米軍部隊でM9をM17に置き換える予定です。第101空挺師団への初配備は、2017年の年末に予定されているとの報告があります。

弾薬情報

M17では、従来と同様に9mm NATO弾が使用されています。契約条件として、SIG SAUERが提案したXM1152フルメタルジャケットおよびXM1153特殊用途弾も調達可能です。

儀礼用M17

2018年には、無名戦士の墓を守るための特別なM17が製造され、4丁が贈呈されました。これにはそれぞれ固有の名前が付けられ、装飾的にも特別なものとなっています。

P320-M17/M18

2018年には、M17の民間市場向けモデルP320-M17が発売され、軍用規格に近い仕様が特徴です。また、2020年にはコンパクトモデルM18も市場にリリースされ、普及が進んでいます。

採用機関

• - アメリカ合衆国陸軍
• - アメリカ海軍
• - アメリカ海兵隊
• - アメリカ空軍
• - アメリカ宇宙軍

このように、SIG SAUER M17とM18は、多くの兵士に利用されることで、戦闘や日常の任務に貢献しています。

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