SMAP 009

SMAPの9枚目のオリジナルアルバム『SMAP 009』は、1996年8月12日にビクターエンタテインメントからリリースされました。このアルバムは、SMAPにとって大きな転換期となる作品でした。

制作の背景

アルバムの制作は、メンバーの森且行の脱退という予期せぬ事態に見舞われました。当初、楽曲は森を含む6人でレコーディングされていましたが、彼の脱退決定後、急遽5人体制での再レコーディングとアレンジの変更が行われました。しかし、メンバーとスタッフの尽力により、アルバムは予定より数日遅れて発売されました。

前作『SMAP 008 TACOMAX』からわずか5ヶ月という短い期間でのリリースであり、SMAPが同じ年に複数のオリジナルアルバムを発表したのは、事実上この作品が最後となりました。

制作当初から発売告知がされており、1996年8月8日に発売予定でしたが、森の脱退により5人体制での制作に切り替わったため、実際には数日遅れの8月12日発売となりました。

サウンドと楽曲

今作でも、前作に引き続き海外のトップミュージシャンがバックバンドとして参加し、サウンドのクオリティを高めています。しかし、アルバムリリース前に発表されたシングル「青いイナズマ」は、森の脱退後初のシングルということもあり、本作には収録されませんでした。

アルバムには、バラエティ豊かな楽曲が収録されています。森浩美が作詞、長岡成貢が作曲・編曲を手がけた「Relax」、戸沢暢美が作詞、谷本新が作曲、長岡成貢が編曲した「マラソン」、戸沢暢美が作詞、岩田雅之が作曲・編曲した「波風も悪くない」など、個性的な楽曲が並びます。メンバーのソロ曲も収録されており、木村拓哉の「電話しようかな」、香取慎吾の「夏が来る」、草彅剛の「Harlem River Drive」、稲垣吾郎の「あの夏の日」は、それぞれの個性を際立たせています。

シングル曲とアルバムバージョン

アルバムには、森脱退前最後のシングル「はだかの王様 〜シブトクつよく〜」も収録されていますが、アルバムバージョンとして、オケが生演奏に差し替えられ、ボーカルも5人体制で歌い直されています。

その他

アルバムジャケットは、初回限定盤が赤色、通常盤が青色の十字のデザインとなっています。

通常、SMAPのオリジナルアルバムには「Theme of ○○○」というタイトルの楽曲が1曲目に収録されていますが、本作には収録されていません。

レコーディングに参加したグレッグ・フィリンゲインズは、後にTOTOのメンバーとして『SMAP×SMAP』に出演し、メンバーと再会しましたが、番組内では本作については触れられませんでした。

映像作品

アルバム収録曲は、ライブビデオ『1997 SMAP LIVE ス』や『SMAP 010 "TEN"』などで映像化されています。

『SMAP 009』は、SMAPの歴史において重要なターニングポイントとなったアルバムであり、5人体制での新たなスタートを飾る意欲作として、今もなお多くのファンに愛されています。

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