SMPレーシング

SMPレーシング：ロシアのモータースポーツを牽引するチーム

SMPレーシングは、ロシアの実業家ボリス・ロマノヴィチ・ローテンベルクによって2013年に設立されたモータースポーツチームです。同氏がオーナーを務めるSMP銀行の支援を受け、国際的なレースシーンで活躍しています。チーム設立の理念は、若きロシア人ドライバーの育成と、世界最高峰の舞台での活躍です。

チームは、ロシア出身のドライバーに多大な財政的支援を提供することで、国際的なレースへの挑戦を後押ししています。その成功例として、2018年のF1世界選手権に参戦したセルゲイ・シロトキンが挙げられます。SMPレーシングの育成システムは、才能あるドライバーの発掘と育成に重点を置いており、将来のモータースポーツ界を担う人材育成に貢献しています。

チームの活動拠点の一つは、フランス南東部のル・リュックにあるトレーニングセンターです。最新の設備と専門スタッフによる指導体制の下、ドライバーたちは高度なトレーニングを実施し、レースへの万全の準備を整えています。スポーティングディレクターには、元F1ドライバーのミカ・サロが就任しており、豊富な経験と知識に基づいた指導でチームをサポートしています。

SMPレーシングは、自社開発のレーシングカーにも力を入れています。2014年には、最初の自社製レーシングカーであるBR01を発表。ヨーロピアン・ル・マン・シリーズに参戦し、その性能の高さを証明しました。その後、BR01の後継機となるBR1を開発し、2018-19年のFIA世界耐久選手権(WEC)のLMP1クラスに参戦。世界最高峰の舞台で、その実力を示しました。

2018年には、大きな話題を呼びました。なんと、2009年のF1世界チャンピオンであるジェンソン・バトンをレギュラードライバーとして起用したのです。ミカエル・アレシン、ビタリー・ペトロフと共にチームを強化し、世界中のモータースポーツファンを驚かせました。バトンのデビュー戦はル・マン24時間レースとなり、そのパフォーマンスに大きな注目が集まりました。SUPER GTとの日程が重なったスパ・フランコルシャン6時間レースは欠場しています。

SMPレーシングは、これまでに数々のレース選手権に参戦してきました。FIA世界耐久選手権(WEC)には2014年から2018年まで、ヨーロピアン・ル・マン・シリーズには2013年から2017年まで参戦。これらのレースを通して、チームは経験を積み重ね、技術力を向上させてきました。常に世界のトップレベルを目指し、挑戦を続けるチームの姿は、多くのファンを魅了しています。

設立以来、SMPレーシングはロシアのモータースポーツ界において重要な役割を果たしてきました。若手ドライバーの育成、独自のレーシングカー開発、そして世界最高峰のレースへの挑戦を通して、ロシアのモータースポーツの発展に貢献し続けています。その活動は、単なるレースへの参加という枠を超え、ロシアのモータースポーツ界全体を盛り上げる力となっています。今後の活躍にも期待が高まります。

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