SNK VS. CAPCOM

SNK VS. CAPCOM：両雄の激突と終焉

SNKとカプコン、日本のゲーム業界を代表する二大企業によるクロスオーバープロジェクト「SNK VS. CAPCOM」。それぞれの企業が保有する人気キャラクターたちが、異色の競演を果たしたこのシリーズは、ゲームファンの間で高い人気を博しました。しかし、その歴史は栄光だけでなく、企業の合併や倒産といった複雑な事情も絡み合った、波乱に満ちたものでした。

プロジェクトの始まりと展開

1999年、SNKとカプコンは特別なライセンス契約を締結。お互いのキャラクターを起用し、それぞれが独自にゲームを開発・販売するという、異例の協業が始まりました。

まずSNKは、ネオジオポケット用トレーディングカードゲーム『SNK VS. CAPCOM 激突カードファイターズ』を皮切りに、ネオジオポケットカラー用対戦型格闘ゲーム『頂上決戦 最強ファイターズ SNK VS. CAPCOM』をリリース。一方、カプコンはアーケード向け対戦格闘ゲーム『CAPCOM VS. SNK MILLENNIUM FIGHT 2000』を発表し、ドリームキャストへの移植も実施しました。両社はそれぞれ公式サイトを開設し、作品間の連動なども行われ、盛況を極めました。

その後も両社は、新たなタイトルを相次いで発表します。SNKからは『SNK VS. CAPCOM カードファイターズ2 EXPAND EDITION』、カプコンからは『CAPCOM VS. SNK MILLENNIUM FIGHT 2000 PRO』と『CAPCOM VS. SNK 2 MILLIONAIRE FIGHTING 2001』が登場しました。しかし、2001年にSNK（旧社）が倒産。この事態を受け、両社の公式サイトは閉鎖され、プロジェクトは大きな転換期を迎えます。

SNKプレイモア時代の継続と終焉

SNKの事業を継承したSNKプレイモア（後の2代目SNK）は、クロスライセンス契約を引き継ぎ、シリーズを継続。新たな作品として『SNK VS. CAPCOM SVC CHAOS』や『SNK VS. CAPCOM カードファイターズDS』などをリリースしました。これらの作品も高い評価を受け、シリーズの熱気は冷めることはありませんでした。

しかし、様々な要因が絡み合った結果、シリーズはその後、新たな作品を発表することなく事実上終焉を迎えることとなります。近年、ゲームクリエイターの岡本吉起氏によるYouTubeでの発言により、プロジェクトの裏側にある複雑な事情が明らかになりつつあります。

作品群の特徴と略称

「SNK VS. CAPCOM」シリーズは、格闘ゲームのみならず、カードゲームなども含む多様な作品群から構成されています。カプコン制作の作品はタイトルに「CAPCOM」が先に配置され、「カプエス」という略称で親しまれました。一方、SNK（旧社）およびSNKプレイモア制作の作品は「SNK」が先に配置され、「エスカプ」という略称が使われています。

シリーズの遺産

「SNK VS. CAPCOM」シリーズは、両社のキャラクターたちが織りなす夢の競演によって、多くのファンを魅了しました。その歴史は、企業間の協業の成功例としてだけでなく、ゲーム業界における企業合併や倒産といった現実的な問題も反映した、複雑でドラマチックな物語でもあります。現在では、シリーズを懐かしむファンも多い一方、その裏側にある様々な思惑や出来事が、改めて注目を集めています。シリーズは終わりましたが、その作品群は、ゲーム史に重要な足跡を残しました。

もう一度検索