SOMEDAY (佐野元春の曲)

シングル「SOMEDAY」について

「SOMEDAY」は、佐野元春が1981年にリリースした4作目のシングルであり、音楽キャリアの中でも特に重要な曲となっています。初めてのリリースは6月25日にEPIC・ソニーからであり、その後1989年にはJR東海のコマーシャルソングとして使用されたことを機に、ジャケットが新たにデザインされて1990年4月21日に8cmシングルとして再発売されました。

リリースの背景

元々「SOMEDAY」は、1981年2月に発売予定だった2枚目のアルバム『Heart Beat』に収録される予定でした。しかし、歌詞の一部に満足しきれなかったため、アルバムには間に合わず、シングルとしてのリリースとなりました。曲名の「SOMEDAY」は、クリーデンス・クリアウォーター・リバイバルの「Someday Never Comes」や、シュープリームスの「Someday We'll Be Together」などの曲からインスパイアを受けたものです。アレンジにはフィル・スペクター風のウォール・オブ・サウンドが採用され、そのスタイルは後にコンピレーションアルバム『音壁 JAPAN』にも収録されました。

常に愛される曲

「SOMEDAY」は発売当初はチャートのTOP100には入りませんでしたが、翌年にリリースされた同名アルバムの成功により、佐野の代表作の一つとして認識されるようになりました。また、1990年代に入ると、音楽雑誌「CREA」の特集で歴代の楽曲の中で2位にランクされるなど、その人気は長く続いています。21世紀に入ってからも、CMや映画、アニメの挿入歌として使われるなど、幅広い世代に支持される名曲としての地位を確立しています。

ライブパフォーマンスでも定番となっており、時には封印されたこともあったこの曲は、再びの復活を通じてファンに新たな感動を与えました。「THE SUN」ツアーの際には、佐野が涙ぐみながら「10代には10代、20代には20代…」と語りかけるシーンもありました。この言葉には、曲が時代を超えて聴き手に新しい意味を持つことへの深い思いが込められていました。実は、佐野の父親が「いい曲だな」と初めて認めた曲でもあります。

音楽評論と影響

音楽評論家の渋谷陽一とのインタビューでは、佐野が「反語がない」と指摘された際に、反論して歌詞の裏の意図を語ったことがあります。例えば、「信じるこころいつまでも」という歌詞には「疑うこころもいつも持ってるんだぜ」というメッセージが含まれていると説明しました。スージー鈴木からは「ブルース・スプリングスティーンの『ハングリー・ハート』をカスタマイズした楽曲」と評価されています。

メディアでの使用

この曲は日本テレビの番組『行列のできる法律相談所』で、「東野幸治石垣島トライアスロンプロジェクト」のイメージソングとして使用されました。これをきっかけに佐野自身がビデオで出演し、レース当日には沿道にこの曲が流れ、多くのリクエストを集めました。また、2019年にはTBS系アニメ『新幹線変形ロボ シンカリオン』の中で挿入歌として使われ、当時のコマーシャルに言及するキャラクターのセリフが話題を呼びました。

収録曲

「SOMEDAY」は全作詞・作曲・編曲を佐野元春が手がけており、他にも収録曲として「Bye Bye Handy Love」があります。また、この曲は多くのアーティストにカバーされており、その中には白井貴子、矢野顕子、山下久美子などが含まれます。

「SOMEDAY」は単なる曲以上の存在であり、時代を超えて聴き手の心に響き続ける名曲として、多くの人々の記憶に残り続けるでしょう。

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