SONGS -30th Anniversary Edition-

SONGS -30th Anniversary Edition-：シュガー・ベイブ唯一のアルバムが30周年記念盤で復活

2005年12月7日、シュガー・ベイブ唯一のアルバム『SONGS』が、30周年を記念したリイシューアルバム『SONGS -30th Anniversary Edition-』として発売されました。ナイアガラ・レーベル設立第一弾作品として1975年に発表された本作は、日本の音楽史に大きな足跡を残した名盤として広く知られています。今回の30周年記念盤は、単なる再発ではなく、多くの魅力的な要素が加わった、ファン必携の1枚と言えるでしょう。

大滝詠一によるリマスタリング：原音へのこだわり

今回のリマスタリングは、『SONGS』のプロデューサーである大滝詠一氏自身の手によって行われました。大滝氏は、過去のCD化について、初期の技術的な制約や自身の経験を踏まえ、これまでのバージョンとは異なるアプローチを今回のリマスターに採用したと語っています。そのテーマは“あるがまま”。アナログマスターテープを丁寧にデジタル変換し、楽曲本来の持つニュアンスを最大限に活かすことに注力しました。何度も聴き込むことで、新たな発見や感動が生まれるような、そんな仕上がりになっています。

豪華なボーナス・トラック：未発表音源やライブ音源も収録

この30周年記念盤の大きな魅力の一つが、ボーナス・トラックの充実ぶりです。未発表のデモ音源や、1974年のライブ音源など、貴重な楽曲が多数収録されています。山下達郎氏、大貫妙子氏、村松邦男氏など、メンバーによるコメントに加え、異なるミックスバージョンも収録。これまでに聴いたことのない『SONGS』の魅力が、このアルバムを通して再発見できます。

特に注目すべきは、新たに発見された8チャンネル・マルチトラック・テープからのリミックスによる「夏の終りに（Demo）」です。従来のバージョンではカットされていた部分も収録されており、より完成度の高い楽曲として聴くことができます。また、ライブ音源は、1974年4月18日に行われた池袋シアター・グリーンでの「HOBO'Sコンサート」の音源で、「想い」「いつも通り」の2曲が収録されています。これらのライブ音源は、初期シュガー・ベイブの生々しいエネルギーを感じることができ、スタジオ録音とは異なる魅力にあふれています。

さらに、アルバム収録楽曲の別ミックスバージョンも収録。「ためいきばかり (diff.mix version)」は、ブラスセクションを加えたアレンジで、アルバムバージョンとは異なる魅力があります。また、「SUGAR (wild mix version)」は、オリジナルよりも約50秒短い、よりダイナミックな仕上がりとなっています。

オリジナルLPを再現したアートワーク

ジャケットは、オリジナルのエレック盤LPを忠実に再現。紙質やデザインにこだわり、当時の雰囲気をそのまま味わうことができます。ブックレットには、レコーディングメンバーや大滝詠一氏からのコメントが掲載され、『SONGS』誕生秘話や制作過程を知ることができる貴重な資料となっています。オリジナル・エレック盤の歌詞カードも封入されており、当時の空気感を楽しむことができます。

まとめ：ファン必携の決定版

『SONGS -30th Anniversary Edition-』は、単なるリイシューではなく、大滝詠一氏によるリマスタリング、未発表音源やライブ音源の収録、そしてオリジナルLPを再現した豪華なパッケージングなど、ファンにとってこれ以上ないほどの充実した内容となっています。シュガー・ベイブの音楽を愛する人、そして日本の音楽史に興味のある人にとって、必聴、必携の1枚と言えるでしょう。このアルバムを通して、シュガー・ベイブの音楽が持つ普遍的な魅力を改めて感じることができるはずです。

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