SORRY MUSIC ENTERTAINMENT

SORRY MUSIC ENTERTAINMENT

『SORRY MUSIC ENTERTAINMENT』は、米米CLUBが1995年11月23日にリリースした12枚目のアルバムです。Sony Records（現ソニー・ミュージックレコーズ）から発売されました。このアルバムは、米米CLUBにとって初の本格的な2枚組アルバムであり、彼らの音楽的な多様性と実験精神を存分に堪能できる作品となっています。

アルバムの背景

このアルバムが制作されるにあたり、米米CLUBには大きな変化がありました。1995年4月にシングル『ワンダブルSUNでぃ』をリリース後、ギターのジョプリン得能とドラムのRYO-Jが脱退。しかし、バンドは新たなメンバーを迎え、総勢17人という大所帯バンドとして再スタートを切りました。新メンバーには、ホーンセクション「BIG HORNS BEE」の4人、ライブサポートメンバーだった3人、ダンサーのコータロー、そして新たに加わったシンジ、キーボードのジュリアーノ勝又、ドラムのトシがいます。

アルバムタイトルは、所属レコード会社のソニー・ミュージックエンタテインメントをもじったもので、米米CLUBらしい遊び心とユーモアが感じられます。収録されている37曲は、過去のアルバム『米米CLUB』と同様に、彼らの本質である「ソーリー系」の楽曲が中心となっています。

楽曲の特徴

アルバムには、先行シングル『ワンダブルSUNでぃ』を含む、バラエティ豊かな楽曲が収録されています。これらの楽曲の多くは、得能と坂口が在籍していた時期にライブやスタジオでレコーディングされたもので、新メンバーが全面的に参加しているわけではありません。しかし、各楽曲は米米CLUBらしい独創的な世界観で彩られており、聴く者を飽きさせません。

特に注目すべきは、各楽曲に付与された「SORRY度数」です。これは、アルバムに収録されているライナーノーツで解説されており、各楽曲のソーリー度合いを数値化したものです。また、歌詞ブックレットの巻末には、匿名者によるライナーノーツ「SORRY MUSIC ENTERTAINMENTの解説」が収録されており、各楽曲の魅力をさらに深く掘り下げています。

初回限定版

初回限定版はBOXケース仕様で、「運コイン」と呼ばれる特典が付いています。この「運コイン」のデザインは、カールスモーキー石井が和式便器にウンコをインしているというユニークなもので、米米CLUBらしいユーモアが感じられます。

各ディスクの内容

Disc1

Disc1には、アルバムのオープニングを飾る「I'm Sorry」から、ライブテイクの「アンジュール」、インストゥルメンタルの「サンサルバドルの雪」、そしてオペラ風の「タトゥーレ」まで、多様なジャンルの楽曲が収録されています。特に、ボサノバとは全く関係のない「ボッサボサノバ」、下品な歌詞を英語っぽく歌う「DEEP IN YOUR NICE BODY」、フォークソングのパロディが盛り込まれた「虫の息」など、ユニークな楽曲が目白押しです。

Disc2

Disc2は、メンバーの雑談から始まる「伴天連の人魚」からスタートし、スカンジナビアやカムチャッカなどの地名が登場する「スカンジナビアで逢いませう」、拝金主義を批判する「金・金・金」、そして放送禁止用語が含まれる「パパは893」など、さらにバラエティ豊かな楽曲が収録されています。また、意味不明な楽曲としてライナーノーツでも言及されている「VIVA PEPE」や、アマチュア時代の音源である「アバンギャルド」など、米米CLUBの歴史を感じさせる楽曲も収録されています。さらに、アルバム内で最もSORRY度数が高いとされている「ハードでゆこう」で締めくくられています。

ローカルCMとのタイアップ

このアルバムに収録されている楽曲の多くは、全国各地の地元企業のCMソングに起用されており、この時期は各地のローカルCMで米米CLUBの楽曲が頻繁に流れていました。このことも、このアルバムが多くの人々に愛された理由の一つと言えるでしょう。

総括

『SORRY MUSIC ENTERTAINMENT』は、米米CLUBの音楽的な実験精神とユーモアセンスが詰まった、非常に魅力的なアルバムです。初の本格的な2枚組というボリュームもさることながら、各楽曲のクオリティの高さ、そしてアルバム全体のコンセプトなど、聴きどころ満載の一枚です。米米CLUBファンはもちろん、幅広い音楽ファンにおすすめできる作品です。

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