SOUND OF MY HEART

SOUND OF MY HEART

『SOUND OF MY HEART』（サウンド・オブ・マイ・ハート）は、松田聖子がSEIKO名義で発表した12枚目のオリジナルアルバムで、1985年8月15日にCBS・ソニーから発売されました。このアルバムは、彼女の音楽の新たな方向性を示す重要な作品として位置付けられています。帯のコピーにもあるように、「聖子からSEIKOへ、いま舞台は新次元」というメッセージが感じられる内容となっています。

プロデュースとアレンジ

フィル・ラモーンというグラミー賞受賞歴を持つプロデューサーが手掛けた本作品は、全編が英語lyricsで構成されています。そのため、松田聖子にとって自身初の英語アルバムとなり、音楽的な冒険を遂げた重要なマイルストーンでもあります。先行シングル「DANCING SHOES」は聞き手を魅了する要素が多く含まれ、アルバムの象徴ともいえる楽曲に仕上がっています。また、ジャズピアニストのデビッド・マシューズが全曲の編曲を担当し、アルバムに独自の洗練された雰囲気を加えています。

楽曲の魅力

収録されている楽曲には、当時のCBS・ソニーのプロデューサー若松宗雄とフィル・ラモーンが共同でデモテープから選ばれたものが多く、アメリカの音楽シーンでも名を馳せる作家陣が参加しています。これにより、作品全体のクオリティは非常に高く、幅広いリスナーに楽しんでもらえる内容となっています。収録曲には、「LOVE IS NEVER OVER」や「IMAGINATION」、「A FRIEND LIKE YOU」といった多彩なスタイルの楽曲が含まれており、聴き手を飽きさせない工夫が随所に見られます。特に「CRAZY ME, CRAZY FOR YOU」は、その情熱的な歌詞とメロディーが印象的で、聖子の表現力の豊かさを感じさせる一曲です。

リリースと後の展開

当初はアメリカでのリリースも検討されましたが、最終的には国内のみの発売となりました。このアルバムに続く1990年発売の『Seiko』には、「TRY GETTIN' OVER YOU」の新録バージョンが収録されており、音楽キャリアの中でのこの作品の重要性を物語っています。さらに、このアルバムがリリースされた後の2006年7月には、デジタル・リマスタリングされた版がCD BOX『Seiko Matsuda』として発売されました。

技術的な特徴

アルバムはスモーク調の半透明カセットハーフ仕様で販売され、テープの規格はソニーの音楽・一般録音用カセットテープと共通です。これにより、ファンにとって記念すべきコレクションアイテムとなった側面もあります。

参加メンバー

デビッド・マシューズに加え、ビリー・ジョエルのバンドメンバーであるギタリストのデヴィッド・ブラウンとドラマーのリバティ・デヴィートも本作に参加しており、これが全体の音楽的なクオリティをより豊かにしています。

『SOUND OF MY HEART』は、松田聖子の豊かな音楽的表現と新しい挑戦が詰まった、今なお色あせない魅力を持つ作品です。

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