SPML

SPML（Service Provisioning Markup Language）は、OASISによって開発されたXMLベースのフレームワークであり、組織間でユーザー、リソース、サービスのプロビジョニング情報を交換するための標準規格です。この規格は、異なるシステム間でプロビジョニング情報を共有し、サービスプロビジョニングのプロセスを自動化することを目的としています。

SPMLプロトコル

SPMLは、サービスプロビジョニング要求の統合と相互運用性を実現するためのオープン標準プロトコルです。これは、DSML（Directory Services Markup Language）の概念に基づいており、OASISによって標準化されました。SPMLのバージョン1.0は2003年10月に、バージョン2.0は2006年4月にそれぞれ承認されています。

SPMLプロトコルは、異なるプラットフォームやシステム間でサービスプロビジョニングに関する情報を交換するための共通言語を提供します。これにより、組織は複数のシステムにわたるユーザーアカウントやリソースの管理を効率的に行うことができ、手動での設定作業を大幅に削減できます。

サービスプロビジョニング

サービスプロビジョニングとは、特定の活動に必要なITシステムのリソースや消耗品を事前に準備するプロセスを指します。これにより、リソースの調達にかかる急な出費を抑え、リソースのライフサイクル全体を効果的に管理することが可能になります。プロビジョニングには、ユーザーアカウントの設定やシステム/ネットワーク/アプリケーションへのアクセス権限の付与などのデジタルサービスに加え、電話やクレジットカードの準備などの非デジタルサービスのプロビジョニングも含まれます。

プロビジョニングの自動化は、ユーザー、システムアクセス、電子サービスに関連するデータの管理（設定、変更、削除）を効率化します。これにより、組織はITリソースの管理にかかる時間とコストを削減し、サービスの提供を迅速化することができます。

SPMLの目標

SPMLの主な目標は、組織がWebサービスやアプリケーションのためのユーザーインタフェースを安全かつ迅速に設定できるようにすることです。このため、Webポータルやアプリケーションサーバーなどの企業プラットフォームやサービスセンターは、プロビジョニング要求を生成し、組織内外でやり取りできるようにする必要があります。

SPMLの利用により、ユーザーやシステムアクセス、ITインフラ全体における一貫した電子サービスへのアクセス権付与を自動化できます。さらに、顧客は特定のソリューションに縛られることなく、柔軟なプロビジョニング環境を構築できます。これにより、組織は異なるシステムやプラットフォーム間でのサービスの提供を標準化し、ITリソースの利用効率を最大化できます。

関連項目

アイデンティティ管理: ユーザーの認証とアクセス権限を管理するプロセスであり、SPMLと密接に関連しています。
プロビジョニング: リソースの準備と管理全般を指し、SPMLはプロビジョニングプロセスを自動化するためのフレームワークです。

外部リンク

OASIS公式サイト: SPMLを開発したOASISの公式サイトです。
OpenSPML.org: SPMLに関する情報やリソースを提供するサイトです。
Identity Provisioning Open Source Software Project: アイデンティティプロビジョニングに関するオープンソースソフトウェアプロジェクトです。
Open Provisioning Tookit (OpenPTK): オープンなプロビジョニングツールキットです。

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