SS-9000

タカトクトイス SS-9000：サバイバルゲーム黎明期を彩った伝説のエアソフトガン

SS-9000は、かつてタカトクトイスから発売されていたエアソフトガンです。1980年代に登場し、同社のSSシリーズにおける上級モデルとして位置づけられていました。

製品概要

SS-9000は、初期の定価が9000円であったことからその名が付けられました。機構はエアボルトアクションを採用し、7mmツヅミ弾を薬莢にセットし、ロータリー式弾倉に5発装填する方式でした。特筆すべきは、モチーフとなる実銃を持たない、完全なオリジナル設計であったことです。この独創的なデザインが、後のエアソフトガンに大きな影響を与えました。

販売元がタカトクからマツシロへ変更された際、一部のSSシリーズ製品がラインナップから姿を消しましたが、SS-9000は引き続き販売されました。ただし、シリンダーヘッドの固定方法や使用するツヅミ弾の形状などに変更が加えられました。

2011年現在では、クラウンモデルから「スーパーライフルU10ジュニア」として、SS-9000の機関部分をベースにしたエアソフトガンが発売されています。銃身の材質変更や威力調整など、現代の安全基準に合わせた改修が施され、子供向けライフルとして人気を博しています。

サバイバルゲーム黎明期における活躍

SS-9000は、ノーマル状態では威力は高くありませんでしたが、カスタムパーツメーカーから様々なパーツが発売され、それらを組み込むことで性能が飛躍的に向上しました。特に、ノズル付きシリンダーや強化スプリングといったパーツは、SS-9000をスナイパーの主力装備へと押し上げました。

BB弾の登場後、ユーザーによるBB弾対応やカートレス化の改造も盛んに行われました。SS-9000は、プラスドライバー1本で完全分解が可能であり、構造が単純であったため、カスタムが容易であったことが、その人気の理由の一つでした。「カスタムパーツだけで1挺組み上げられる」と言われるほど、多くのショップからカスタムパーツが発売されました。

タカトクの倒産後、SS-9000はマツシロ、マスダヤとメーカーを渡り歩き、最終的にマルコシによって6mmBB弾用への近代化改修を受け、「UXスーパー9」として生まれ変わりました。

1990年代に入ると、マルゼンのAPS-2が登場し、SS-9000は狙撃銃の主役の座を明け渡すこととなりましたが、サバイバルゲーム黎明期を支えた名銃として、多くのゲーマーから愛されています。

SS-9000のライバル

長きに渡りサバイバルゲームの主力火器として君臨していたSS-9000には、以下の2挺がライバルとして挙げられます。

マルゼン KG-9: エアコッキング式サブマシンガン。レピーターハンドルを取り付け、カートレス式に改造したものは、アタッカーの頼れる一挺となりました。
マルゼン APS-2: 競技用としてリリースされたエアボルトアクションライフル。その高い命中精度で、SS-9000から王座を奪いました。

登場作品

『ガメラ 大怪獣空中決戦』: 麻酔銃として登場。
『こちら葛飾区亀有公園前派出所』: 両津勘吉がSS-9000を改造した「SS-900000000」が登場。

外部リンク

* クラウンモデル公式

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