STARS (人工衛星)

STARS（スターズ）についての詳細

STARS（Space Tethered Autonomous Robotic Satellite）は、香川大学が開発した小型衛星です。この衛星は2009年1月23日にH-IIAロケットによって打ち上げられ、親機と子機の2機から構成されています。愛称は「KUKAI（空海）」であり、将来的には宇宙デブリを回収するためのロボットとしての役割が期待されています。STARSは西日本で初めての実証実験衛星であり、現在もテレメトリーが動作しています。

単体の機能と目的

STARSは、親機が子機を射出し、子機は自らの姿勢を制御することができます。具体的な目的は、テザー宇宙ロボット（TSR）の技術実証であり、テザーの先端に取り付けられたTSRがテザーを伸展させて衛星の姿勢を調整することにあります。また、子機にはカメラが搭載されており、親機を撮影する機能も備えています。

打ち上げから数日後の2月2日に、テザーの伸展実験が行われましたが、地上局のハードウェアに不具合があったため交信に問題が生じ、テザーの伸展は数cmから数十cmにとどまりました。また、親機と子機の再接合実験も、テザー巻き取り機能の不具合により実施できませんでした。しかし、2月下旬からはテザー伸展制御とロボット制御の実験が行われ、子機は親機の撮影に成功しました。

打ち上げから3ヶ月後の4月23日には、基本実験運用が終了しましたが、その後も地域衛星としての役割を果たしており、イベントを通じて地域の活性化を図りながら、さまざまな応用実験を実施しています。現在、子機は437.275MHzでテレメトリー信号を送信しています。

共同実施団体と協力企業

STARSのプロジェクトには、いくつかの共同実施団体および協力企業が参加しています。主な団体としては、香川サット推進クラブやJARL香川県支部、香川県産業技術センター、九州大学の宇宙機ダイナミクス講座などがあります。

また、協力企業には清水建設、ワテック、関西電子工業、大和商会など、多くの企業が名を連ねており、彼らの技術やノウハウがプロジェクトに貢献しています。

STARS-IIの打ち上げ

さらに、STARSの2号機であるSTARS-II（源内）は、2014年2月28日にGPM主衛星とともにH-IIAロケットにより打ち上げられました。この衛星は、重力傾斜を利用したテザー張力を使って姿勢制御を行い、張力制御に基づいたテザー伸展回収を行うことを目的としています。また、STARS-IIでは被覆のない電線、すなわちベアテザーを使っており、この方法による電流発生は世界初となります。

STARS-IIは、2014年4月26日に大気圏に再突入しました。

参考文献と外部リンク

プロジェクトに関する詳細な情報は、香川大学工学部のウェブサイトや、NASAの関連資料を参照することができます。また、香川衛星開発プロジェクトに関する公式サイトも提供されています。それにより、STARSに関するさらなる知識や情報を得ることができるでしょう。

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