STAY TUNE

STAY TUNE

Suchmosの楽曲「STAY TUNE」は、2016年1月13日に2枚目のEP「LOVE&VICE」のリード曲としてリリースされた、彼らの音楽性を象徴する一曲です。この楽曲は、都会の喧騒とそこに生きる人々への独特な視点が込められた、アップテンポなダンスチューンとして知られています。

楽曲の背景と制作

「STAY TUNE」は、元々J-WAVEの番組ジングルとして制作された30秒ほどの楽曲が原型でした。そのメロディーの良さから、番組の許可を得てフルバージョンとして制作されることになりました。制作のきっかけは、メンバーのHSUがYONCEに「金曜夜の渋谷は異常だ」と語ったこと。終電で帰宅する際に遭遇する酔っ払いの群れに対する嫌悪感が、歌詞のテーマへと繋がりました。メンバー全員が飲み会を好まないこともあり、泥酔して周囲に迷惑をかける人々への不快感が、楽曲の根底にあります。彼らは、その様子を「ゾンビ」と表現し、都会の喧騒に対する皮肉を込めた歌詞を、YONCEとHSUが共同で書き上げました。タイトルには「チャンネルはそのまま」という意味が込められており、「Suchmosというバンドに今後も注目し続けてほしい」というメッセージが込められています。

実は、番組ジングルとして制作された初期バージョンには、番組名を間違えていた為、お蔵入りになったものも存在します。その音源は、後にラジオ番組内で公開されました。

音楽的な特徴と評価

この曲は、リリース当初から注目を集め、2016年2月にはBillboard Japan Hot 100で初登場18位を記録。その後、Honda「VEZEL」のCMソングに起用されたことで、インターネットを中心に話題が拡大。2016年12月には再びトップ20に返り咲き、2017年1月にはトップ10入りを果たしました。音楽プロデューサーのいしわたり淳治は、この曲を「アーバンでオシャレな楽曲」と評価し、2016年の名曲の一つに選出しました。

ミュージックビデオ

ミュージックビデオは、過去にもSuchmosの作品を手がけたKento Yamadaが監督を務めました。冒頭のシーンは、J-WAVEが入居する六本木ヒルズ森タワーで撮影され、カラフルな照明が印象的です。演奏シーンは、バラエティ番組『タモリ倶楽部』でも使用されたスタジオで撮影され、ジャミロクワイの「ヴァーチャル・インサニティ」を彷彿とさせる演出が特徴的です。また、港のシーンは、大黒ふ頭で撮影されました。

社会現象と受容

SNS上では、「STAY TUNE」の歌詞「〜もうGood Night」を使った投稿が広まりました。これは、気に入らない物事に対して「もうGood Night」を付けて切り捨てるという、一種のネタとして受け入れられました。この現象は、楽曲が持つメッセージ性と、聴衆の共感を象徴しています。

「STAY TUNE」は、Suchmosの音楽性を代表する一曲として、リリースから年月が経った今でも多くの人に愛され続けています。

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