SUMMER BREEZE

中山美穂 3rdアルバム『SUMMER BREEZE』：夏の風のように軽やかで、忘れられない名盤

1986年7月1日、中山美穂の3枚目のオリジナルアルバム『SUMMER BREEZE』がキング[[レコード]]よりリリースされました。約1ヶ月後の8月5日にはCD版も発売され、当時としては画期的なリリース形態となりました。

このアルバムは、中山美穂の音楽キャリアにおいて重要な位置を占めています。キャッチコピーである「風みたいに気まぐれだもの、つかまえられっこないでしょ!? でも、どこにもいかないよ。」の通り、軽やかでいてどこか懐かしさを感じさせる、夏の風のような魅力に溢れた作品と言えるでしょう。

特に注目すべきは、後に中山美穂の楽曲制作に大きく関わることになる角松敏生氏との初コラボレーションです。角松敏生氏が作詞作曲を手掛けた「You're My Only Shinin' Star|You're_My_Only_Shinin'_Star」は、本作で初収録され、その後、何度も再レコーディングを経て、中山美穂の代表曲として広く親しまれるようになりました。アルバムバージョンと、後にシングルカットされたバージョンでは、アレンジに違いがあり、聴き比べてみるのも興味深いでしょう。

さらに、5枚目のシングル「クローズ・アップ」も、アルバムバージョンで収録されています。シングル版よりもイントロや間奏が長く、アルバムならではのゆったりとしたアレンジが楽しめます。アルバム全体を通して、松本隆氏、来生たかお氏、井上大輔氏など、豪華な作詞作曲陣が参加している点も大きな特徴です。

『SUMMER BREEZE』は、中山美穂にとって初めてオリコンアルバムチャートでトップ10入りを果たした作品であり、その後の彼女の成功を決定づける転換点となりました。1995年の『Mid Blue』まで、10年連続でアルバムランキングトップ10入りという偉業を達成する礎を築いたと言えるでしょう。

その後も、『SUMMER BREEZE』は幾度となく再発売されています。1989年にはGOLD CDとして完全限定盤が発売され、1992年には廉価盤、2015年にはデビュー30周年を記念したリマスター盤がリリースされました。そして2022年には、本作を含む3枚のアルバムがSACDハイブリッド盤としてタワー[[レコード]]限定で発売され、改めてその魅力が再認識されました。このSACDハイブリッド盤は、オリジナルマスターを忠実に再現したDSDマスターと、PCMマスターの両方を収録しており、音質へのこだわりが伺えます。

楽曲リストを見てみると、多様な音楽性が感じられます。軽快なポップスから、しっとりとしたバラードまで、中山美穂の幅広い表現力が堪能できる内容となっています。特に、角松敏生氏が参加した楽曲は、彼の独特のセンスと中山美穂の声が見事に融合し、多くのリスナーを魅了しています。

『SUMMER BREEZE』は、単なる音楽作品を超え、1980年代後半の日本の音楽シーン、そして中山美穂のキャリアを象徴する、重要な作品と言えるでしょう。その魅力は、時代を超えて多くのファンを惹きつけ続けています。現在でもサブスクリプションサービスで配信されており、容易に聴くことができるのも大きな魅力です。 このアルバムは、まさに夏の風のように、軽やかで、それでいて忘れられない存在感を放ち続けているのです。

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