SUNNY SIDE UP.

SUNNY SIDE UP.

『SUNNY SIDE UP.』（サニーサイドアップ）は、漫画家・小林徹郎が手がける日本の4コマ漫画作品です。主に女子中学生たちの穏やかな日常と友情を描いた本作は、芳文社発行の漫画雑誌『まんがタイムきららMAX』において連載されました。初掲載は2010年1月号に『もー★ぐり morning-glory』というタイトルで掲載された後、同年5月号よりタイトルを改め、2011年10月号まで読者に届けられました。

ストーリー

物語の主人公は、都内の名門校に通っていた中学生、道寺加奈子。彼女は父親の都合により、父の生まれ故郷である自然豊かな田畠村へ引っ越し、現地の学校に転校することになります。大都会から一転、見慣れない田舎の風景と新しい環境に、加奈子は胸いっぱいの不安を抱いていました。しかし、転校先の学校で個性豊かな同級生たちと出会ったことで、加奈子の田畠村での日々は予想もしていなかった方向へと進んでいきます。特に、最初にできた友人である本田朝顔との出会いは、加奈子の新たな生活を彩る大きなきっかけとなります。慣れない田舎暮らしに戸惑いながらも、加奈子は温かい友情に触れ、少しずつこの土地での生活に馴染んでいくことになります。なお、加奈子の転校には、父親の都合という表面的な理由の他に、何か隠された事情があるようです。

登場人物

この物語には、田畠村で出会い、共に成長していく魅力的なキャラクターたちが登場します。

道寺 加奈子（みちでら かなこ）
本作の主人公。東京から田畠村へ転校してきたお嬢様タイプの少女。物腰柔らかでお淑やかながら、何事にも真面目に取り組み、勉強熱心な頑張り屋でもあります。父方の祖母の家で父親と共に暮らしており、母親と妹は東京に残っています。転校の理由については、単に父親の都合とされていますが、その裏には秘密がある様子が示唆されています。自然が豊かな田畠村ですが、都会育ちのためか蛙や虫が大の苦手で、後に友人となる朝顔にしばしば困らされることになります。

本田 朝顔（ほんだ あさがお）
田畠村に引っ越してきた加奈子が初めてできた友人。加奈子が住む家のすぐ近く（田舎のため物理的な距離は離れていますが）にある「本田商店」の次女です。お淑やかな加奈子とは対照的に、非常に活発で大雑把な性格をしています。正反対のタイプでありながら、加奈子とは不思議と気が合うようです。彼女の名前「朝顔」の英名が「morning-glory」であることから、友人であるメレニアからは「もーぐり」という愛称で呼ばれています。蛙や虫が大好きで、加奈子を驚かせてしまうこともあります。

本田 菊花（ほんだ きくか）
朝顔の姉にあたる人物。実家である本田商店の店番をよく務めています。

メレニア キャンベル
ニュージーランドから田畠村へやってきた少女。彼女の父親はニュージーランド出身でありながら熱狂的な日本マニアで、特に忍者を好んでいるため、田畠村で牧場を営んでいます。その影響か、メレニア自身も日本史が得意ですが、母国語であるはずの英語は苦手というユニークな一面も持っています。これは、ネイティブスピーカーが日常で使う英語と、日本の学校で教わるような厳格な文法中心の英語に隔たりがあるため、とも説明されています。朝顔と同様に小柄で活発なタイプで、二人が揃うと賑やかな騒ぎになることもしばしばです。朝顔からは「メレンゲ」と呼ばれています。

剣持 冴（けんもち さえ）
朝顔やメレニアの友人の一人。彼女たちは活発なのに対し、冴は落ち着いた性格をしています。転校してきたばかりで学校に不慣れだった加奈子に校内を案内したことをきっかけに、加奈子の友人となります。彼女の実家は農家を営んでおり、皆で集まってバーベキューをする際には会場として場所を提供したり、新鮮な野菜を用意したりしています。加奈子からは「冴ちゃん」、メレニアからは「サエ」と通常通り呼ばれていますが、朝顔からは「けんけん」という独特なあだ名で呼ばれています。

書誌情報

本作の単行本は、芳文社から『まんがタイムKRコミックス』レーベルで全1巻が刊行されています。

小林徹郎 『SUNNY SIDE UP.』〈まんがタイムKRコミックス〉 全1巻
2011年4月25日発売、ISBN 978-4-8322-4024-7

この物語は、都会から田舎へ転校した少女が、新しい土地で出会った友人たちとの交流を通じて、日々の小さな出来事の中に幸せを見つけていく様子を温かく描いています。個性豊かなキャラクターたちが織りなす、穏やかで時に賑やかな日常は、読む人に心地よい安らぎを与えてくれるでしょう。

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