SUNPU博'89

SUNPU博'89：静岡市制100周年と駿府城築城400年を祝う祭典

1989年、静岡市は市制100周年と駿府城築城400年という二つの大きな節目を迎えました。これを記念して開催されたのが、地方博覧会「SUNPU博'89」です。バブル景気の追い風を受け、地方博ブームの最盛期に行われたこの博覧会は、「人と歴史、そしてその未来――すんぷ」をテーマに、市民の熱意と創造力が結集した一大イベントとなりました。

テーマと概要

SUNPU博'89は、単なる過去の回顧に留まらず、未来への展望を抱くことを目指しました。駿府という地名が持つ歴史的な重みに、未来への希望を織り交ぜ、訪れる人々に新たな発見と感動を提供することを目指しました。

主要パビリオン

博覧会には、テーマに沿った様々なパビリオンが設けられ、来場者を楽しませました。

駿府館（天守閣ミュージアム）: 駿府城の天守閣を模した外観が特徴で、徳川家康と駿府の歴史を紹介。家康の等身大ロボットや遺品、江戸時代の化粧道具などが展示されました。
静岡未来館: 静岡市の未来をテーマにしたパビリオン。静岡の歴史を振り返る「静岡100年グラフティ」、未来へのメッセージを込めたタイムカプセル、未来的な映像パフォーマンス「スルー・ザ・フューチャー」などが展開されました。
しずぎんIMAXシアター: 大迫力のIMAX映像システムで、人類の空への挑戦を描いた映画「TO FLY」を上映。
静岡ガスアニメシアター: ロボットのロボリンが活躍するアニメ「ロボリンの大冒険」を上映。ドーム型の外観も特徴的でした。
JR東海館: 3D映像と3面マルチスクリーンを駆使したシアターで、JR東海の旅の物語を上映。リニアエクスプレスの模型や運転シミュレーターも人気を集めました。
テクノ電力館: エネルギーと人間の関わりをテーマにしたパビリオン。エジソンの発明品展示や、発電レースなどの体験型展示が行われました。
ヨーロッパ名画館: ゴッホ、ゴーギャン、シャガールなど、ヨーロッパの巨匠たちの名画を展示。美術ファンを魅了しました。
いきいきSUNPU館（集合館）: 複数の企業がブースを出展し、最新技術や製品を紹介。ゲームや映像上映など、様々なエンターテイメントも提供されました。

その他の施設

プレイランド: 各種アトラクションが揃い、子供たちに大人気でした。
東海道22次・宿場町: 江戸時代の宿場町を再現したエリア。食べ物店が並び、大道芸などのパフォーマンスも行われました。
* 駿府城下町: 静岡の伝統工芸品や民芸品を扱う店が並ぶ城下町を再現。猿回しなどの大道芸も披露されました。

イベント

博覧会期間中には、数多くのイベントが開催され、会場を盛り上げました。海老一染之助・染太郎、寺内タケシとブルージーンズ、松本伊代など、著名なタレントやアーティストが登場し、バラエティ豊かなステージを繰り広げました。

影響

SUNPU博'89は、静岡市の発展に大きな影響を与えました。博覧会を契機に、都市インフラが整備され、観光客誘致にもつながりました。また、市民の地域への愛着を深め、一体感を醸成する役割も果たしました。

まとめ

SUNPU博'89は、静岡市の歴史と未来を繋ぐ、記憶に残るイベントでした。博覧会の成功は、静岡市民の誇りとなり、その精神は後の世代にも受け継がれています。

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