SUPER EUROBEAT:30年を超えるユーロビートの歴史
SUPER EUROBEAT(SEB)は、主に
イタリアで制作された
ユーロビート楽曲を収録したコンピレーション
アルバムシリーズです。日本の
エイベックスが発売し、
1990年の第一弾リリースから
2024年現在まで、数多くの作品を発表し続けています。
シリーズの始まりと発展
1990年1月21日、BEATFREAKより発売されたVOL.1を皮切りに、初期はTIME社楽曲を中心に構成されていました。VOL.2以降はASIA、FLEA、DISCOMAGICといったレーベルの楽曲も収録されるようになり、多様性を増していきます。当初はノンストップ形式で、曲数も
アルバムによってばらつきがありました。日本での制作が困難だったため、
イタリアでのライセンス取得・生産を経て輸入販売されました。
1990年1[[1月25日]]発売のVOL.9からは
エイベックスが独自に制作・発売を開始。Dave Rodgersが設立したA-BEAT Cレーベルの楽曲が収録されるようになり、長年にわたりシリーズを支える重要なレーベルとなります。VOL.9からは、9~12曲のExtendedバージョンを収録するようになり、メドレー形式やメガミックスといったボーナストラックも追加されるようになりました。
その後、TIME楽曲(Macho Recordsを含む)も収録されるようになり、A-BEAT CとTIMEの作品が中心となりますが、「和製ユーロ」と呼ばれる日本独自制作の楽曲も収録されていました。Made Up Recordsの楽曲はVOL.21まで収録されました。
1992年には派生シリーズ「MAHARAJA NIGHT HI-NRG REVOLUTION(MNHR)」もスタートしました。MNHRの一部楽曲は、SUPER EUROBEATのノンストップ盤にも収録されました。
アニメとのタイアップとブーム
1998年より放送開始された人気アニメ「
頭文字D」は、SEB楽曲を挿入歌として使用。このタイアップはシリーズにとって大きな転機となり、多くの楽曲がExtendedバージョンでコンピレーション
アルバム「SUPER EUROBEAT presents InitialD D Selection」としてリリースされました。「
頭文字D ARCADE STAGE」シリーズでもSEB楽曲が多く採用されました。
1997年収録の「NIGHT OF FIRE / NIKO」は、リリース当初はそこまで人気がありませんでしたが、テレビ番組での使用をきっかけに大ブレイク。「
頭文字D」でも使用され、第3次
ユーロビートブーム、いわゆる
パラパラブームを牽引する楽曲となりました。
派生シリーズと企画
SEBシリーズ以外にも、いくつかの派生シリーズが展開されました。「EUROBEAT FLASH(EbF)」は、SEBとは異なるブランドながらも事実上の派生シリーズで、HI-NRG ATTACK、TIME、Beaver Musicなどのレーベルが参加しました。
1999年には、
パラパラブームに対応した新シリーズ「EUROMACH」がスタート。こちらは新曲をノンストップ形式で収録し、テンポを高速化するという特徴がありました。
リスナー参加型の企画として、「リクエスト・カウントダウン(リクカン)」も実施されました。リスナー投票により収録曲が決定されるという、当時としては革新的な試みでした。
[2000年]]代に入ると、CDジャケットデザインや収録内容にも変化が現れます。近未来的なイメージのジャケットに変更されたり、J-POP楽曲のリミックスが収録されるようになりました。2000年にはVOL.110がオリコン総合チャート1位を獲得するなど、大きな成功を収めます。しかし、
2002年の[[コピーコントロールCD]導入や、音楽配信の普及など、音楽業界を取り巻く環境の変化も影響を与えます。
近年は、シリーズ本編の新作リリースが途絶え、ベスト盤のリリースが中心となっています。ベスト盤は、新作と過去の楽曲をノンストップミックスで収録する構成へと変化しました。また、過去の楽曲のリメイクバージョンも収録されるようになりました。
デジタル配信とレーベルの活動
近年はデジタル配信が強化され、
エイベックスと各レーベルが積極的に楽曲を配信しています。これにより、CDではEDIT版やノンストップ版のみで収録されていた楽曲も、Extendedバージョンで聴けるようになりました。特に、EUROMACHの楽曲もExtendedバージョンでリリースされるなど、長年のファン待望の動きが活発化しています。
まとめ
SUPER EUROBEATは、30年以上に渡り
ユーロビートシーンをリードしてきた、歴史あるコンピレーション
アルバムシリーズです。アニメとのタイアップや数々の派生シリーズ、そしてデジタル配信への対応など、常に進化を続けながら、
ユーロビートの魅力を伝え続けています。その歴史と、今後の展開に注目が集まります。