SUPER LIVE IN 西武球場

長渕剛『SUPER LIVE IN 西武球場』：伝説の雨天ライブとその記録

1983年8月25日、西武球場（現西武ドーム）で、長渕剛は歴史に残るワンマンライブを開催しました。その模様を収めたライブアルバム『SUPER LIVE IN 西武球場』は、1981年の『長渕剛LIVE』以来、2枚目となるライブアルバムであり、彼のライブ作品としては初の映像化も果たした重要な作品です。

ライブの背景と熱気

このライブは、アルバム『HEAVY GAUGE』リリース後の7月25日に開催されました。全国から集まった約2万人の観客は、悪天候の雨にも負けず、長渕剛のパフォーマンスに酔いしれました。演奏されたのは、初期の代表曲から『HEAVY GAUGE』収録の新曲まで、幅広い楽曲群。まさにキャリアの集大成とも言える、熱狂的なライブとなりました。バスツアーを利用して多くのファンが遠方から駆けつけ、会場の熱気は凄まじかったと伝えられています。

セットリストと参加メンバー

演奏された楽曲は、同年8月6日、7日に行われた南こうせつのサマー・ピクニックでも披露されたものと類似しており、長渕剛の代表曲が多数含まれています。

主な演奏楽曲は、「Hurry Up」、「巡恋歌」、「夏の恋人」、「君は雨の日に」、「Don't Cry My Love」、「いかさまだらけのルーレット」、「どしゃぶりRainy Day」、「賞金目当ての宝探し」、「愛してるのに」、「碑」など。当時、笛吹利明は参加しておらず、ベースの川嶋一久も2004年まで長らくライブに参加していませんでした。

アルバムリリースとその後

『SUPER LIVE IN 西武球場』は、1983年8月25日に東芝EMI/エキスプレスよりレコードとカセットテープでリリースされました。その後、1986年にCD化され、2006年には24ビット・デジタルリマスター、紙ジャケット仕様で再リリースされるなど、現在も高い人気を誇っています。

音楽情報サイト『CDジャーナル』では、「雨の西武球場でのライヴを収録している長渕のターニング・ポイントになったアルバム」、「詞に比重を置いたフォーク・ソングの系統のシンガーである長渕のぶつけるようなヴォーカルが生き生きとしている」と評され、音楽史における重要な作品として高く評価されています。

収録曲と時間表記の違い

LP版とCD版では、収録曲の時間表記に違いがあります。1983年版は曲とMCのバランスが不適切な箇所が見られましたが、1986年版では修正されています。例えば、「顔」のトラックに次の曲「ローディー」のMCが含まれていたり、「愛してるのに」に「時代は僕らに雨を降らしてる」の紹介MCが含まれていた点が変更されています。

ビデオリリースと参加ミュージシャン

ライブの模様は、1983年9月21日にビデオとしてリリースされました。現在、他のメディアでの再発は予定されていません。ビデオには、ライブ本番だけでなく、会場設営の様子や開場前の様子、ファンへのインタビューなども収録されています。

参加ミュージシャンは、長渕剛自身に加え、面谷誠二、浜田良美（ギター）、川嶋一久（ベース）、香川喜章（キーボード）、村上律（スティールギター）、田中清司（ドラムス）など。

まとめ

『SUPER LIVE IN 西武球場』は、長渕剛のキャリアにおいて重要な転換点を示す作品であり、彼の音楽性とパフォーマンスを余すところなく伝える記録となっています。雨天の中、2万人を超える観客を熱狂させたライブのエネルギーは、現在も多くのファンを魅了し続けています。 このライブアルバムとビデオは、長渕剛の歴史を知る上で欠かせない資料となっています。

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