SWEET SILENCE

SWEET SILENCE

「SWEET SILENCE」（スウィート・サイレンス）は、音楽ユニットaccessが1994年5月25日にリリースした通算8枚目のシングル作品です。本作はファンハウスより発売されました。

作品背景と反響

このシングルは、同時期に発表されたaccessの3rdオリジナルアルバム『DELICATE PLANET』と同日にリリースされました。表題曲は、当時人気を博していたフジテレビ系の紀行クイズ番組『なるほど!ザ・ワールド』のエンディングテーマとして採用され、幅広い層に認知されました。結果として、本作は約24.1万枚のセールスを記録するヒットとなりました。

サウンドと構成

シングルに収録されているタイトル曲「SWEET SILENCE」は、同日発売のアルバム『DELICATE PLANET』にも収録されていますが、アルバムバージョンはリチャード・ジェームス・バージェス氏がミックスを手がけた「West Side Mix」として、シングルとは異なるテイクとなっています。

また、本作はaccessのシングルとしては、これまでの作品に見られた、前作シングルのインストゥルメンタルバージョンを収録するという慣例から外れています。具体的には、前作「MISTY HEARTBREAK」のインストゥルメンタル版は本作には収録されていません。

クレジット上の作詞・作曲表記はユニット名である「AXS」と記されていますが、著作権管理団体であるJASRACには、表題曲およびカップリング曲ともに作詞が井上秋緒、作曲が浅倉大介として登録されています。

収録曲詳細

本作には以下の2曲が収録されています。

1. SWEET SILENCE
（作詞：井上秋緒、作曲：浅倉大介）
この楽曲のテーマは、男女間の繊細な関係性や、単なる恋愛を超えた精神的な結びつき、一体感に焦点が当てられています。
サウンド面では、特に間奏部分にユニークな特徴があります。12小節という比較的長い間奏でありながら、使用されている音符はわずか6音で構成されています。また、古いアナログシンセサイザーを彷彿とさせる音色が、ヴァーチャルアコースティック音源を用いて表現されています。
ボーカル面では、ボーカルの貴水博之氏にとって新しい試みが含まれています。本作で初めてファルセット（裏声）を楽曲中に本格的に披露した他、この1曲の中で合計4種類の異なる歌唱法や声色を使い分けて歌われています。

2. DECADE & XXX
（作詞：井上秋緒、作曲：浅倉大介）
この楽曲は、当時活動休止を発表した音楽ユニットTM NETWORK|TM_NETWORKへのトリビュート、あるいはメッセージソングとしての側面を持っています。タイトルの「XXX」は、「Thanks, Good-Bye」と読む意図が込められています。
楽曲全体の音色、メロディ、そして歌詞には、プロデューサーである浅倉大介氏と、TM NETWORK|TM_NETWORKのプロデューサーであり師弟関係にもあった小室哲哉氏の関係性や、TM NETWORK|TM_NETWORKに関連する様々な言葉やモチーフが意図的に盛り込まれています。
作詞を担当した井上秋緒氏は、貴水博之氏や、浅倉氏、そしてTM NETWORK|TM_NETWORKのスタッフから聞いたエピソードや情報を元に歌詞を書き上げました。さらに、TM NETWORK|TM_NETWORKの楽曲「ELECTRIC PROPHET」の歌詞の一部が、小室哲哉氏本人の許可を得た上で引用されています。これは、本作がTM NETWORK|TM_NETWORKへの深い敬意と繋がりを示す楽曲であることを象徴しています。

このシングルは、accessの当時の音楽性の進化と、彼らが影響を受けた音楽への敬意を同時に示した作品と言えるでしょう。テレビタイアップによる商業的な成功に加え、楽曲のテーマやサウンド、そして背景にあるストーリー性がファンにとって特別な意味を持つ一枚となっています。

もう一度検索