Sd Kfz 7

Sd.Kfz.7 - ドイツの牽引ハーフトラック

Sd.Kfz.7（Sonderkraftfahrzeug 7）は、第二次世界大戦中にドイツの国防軍と武装親衛隊が使用した牽引能力8トンのハーフトラックです。この車両は、1934年にクラウス・マッファイ社が開発したKMm8が初代として採用され、その後1938年にはボンネットデザインが大幅に改良されたKMm11が量産型として登場しました。その後、ボルクヴァルト社や1943年からはザウラー社でも生産が行われました。

このSd.Kfz.7は、最大で12名の兵士を搭乗させることができ、大砲の牽引にも対応していました。具体的には、8.8 cm FlaK 18/36/37|8.8 cm FlaK 18_36_37や15cm sFH 18などの重火砲が牽引されることが多く、後部には弾薬を運ぶためのスペースも確保されています。また、大戦初期には8.8cm FlaK18高射砲を搭載した改良型もあり、これには車体全体が装甲で覆われているものもありました。

バリエーション

Sd.Kfz.7は基本型のほかにもいくつかのバリエーションが存在しました。

Sd.Kfz.7/1

この型は、空軍地上部隊向けに開発された自走式対空砲であり、2cm Flakvierling38が搭載されています。車体後部には、格子状に組まれた細長い金属または木製の折りたたみ式足場が設置されています。1943年頃からは、キャビン周辺と機関室前面に8mm厚の装甲が追加され、戦闘能力が強化されました。この車両は、対空戦闘に留まらず、ソ連軍歩兵に対する水平射撃も行える能力を持っていました。

Sd.Kfz.7/2

こちらは3.7 cm FlaK 36を搭載した自走式対空砲で、前述の5tハーフトラック（Sd.Kfz.6/2）が生産中止となったため、その代替として登場しました。基本的な構造はSd.Kfz.7とほぼ同じですが、こちらも装甲の強化が行われています。機関砲を用いた水平射撃や、15cm成形炸薬弾を用いた対戦車戦闘も可能でした。

5cm FlaK42 (SF) auf Zugkraftwagen 8t

この型は5 cm FlaK 41を搭載した対空自走砲タイプで、安定した射撃を行うためのアウトリガーが設けられています。ただし、FlaK 41の性能が期待外れだったため、試作の段階で生産が終了しています。

Feuerleitpanzerfahrzeug für V-2 Raketen auf Zugkraftwagen 8t

A-4（V2ロケット）の発射管制装置を装備した特殊な車両も存在しました。この車両は、後部に装甲シェルターを持ち、発射台から100mの距離に防護堤を設けて配置される仕様です。戦後にはソ連軍にも捕獲され、A-4を試験した結果、国産化されたR-2ロケット用のSU-85改造管制車両も作られました。

総括

Sd.Kfz.7はその設計と多用途性から、多くの場面で有効に利用された牽引車両でした。ドイツ軍の戦略において重要な役割を果たし、さまざまなバリエーションによって戦局に適応していきました。

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