Sd Kfz 8

Sd.Kfz.8（12t重牽引車）

Sd.Kfz.8は、第二次世界大戦時にドイツ軍によって使用されたハーフトラックスタイルの牽引車です。正式にはSchwerer Zugkraftwagen 12tと呼ばれ、この車両はさまざまな重火器の牽引に特化して設計されました。

開発背景

この車両の開発は1931年に始まりました。ダイムラー・ベンツが手がけた最初のモデルは9tの牽引力を持つZD 5でした。ソビエト連邦との連携のもと、当時のソ連領内でテストが行われ、これに基づいて改良が施されたDB s 7が初の量産モデルとして1934年に生産を開始しました。

続いて、1938年にはDB s 8が登場しています。このモデルでは転輪数が増え、さらに改良されたDB s 9にはより強力なマイバッハHL 85エンジンが搭載されました。そして、ついに1939年にDB s 10が生産を開始し、これが12tハーフトラックの主力量産モデルとなりました。

用途と生産

12tハーフトラックは、重榴弾砲である15cm K 16や17cm K 18、21cm Mrs 18など、そして10.5 cm FlaK 38の牽引を行うために広く使用されました。実際の戦闘中に撮影された写真には、より小型の8.8 cm FlaK 18/36/37|8.8 cm FlaK 18_36_37を牽引している場面も見られます。製造はダイムラー・ベンツ社、フリードリヒ・クルップAG、クラウス・マッファイなどで行われ、約4,000両が製造されました。また、少数ではありますがチェコのシュコダ社でも製造されたとの記録があります。

バリエーション

特筆されるバリエーションとして、8.8cm FlaK18(Sfl) auf Zugkraftwagen 12tがあります。これはSd.Kfz.8の後部に88mm FlaK 18を搭載した自走砲で、1939年には10両が製造されました。このモデルは、当時の主量産型DB s 10の一世代前のDB s 9を基にしており、88mm砲は優れた対空火器として広く知られていますが、対戦車能力も考慮されて設計されました。

この自走砲は、戦車や防御陣地を攻撃できる能力を持っていたため、エンジンルームや操縦席は強化された装甲で保護されています。さらに、88mm砲は地上目標用に特化されており、対空用の信管装置やハンドルは簡素化されています。車両の前方には通常の射撃姿勢を取るための配置が施されており、他の類似車両に比べて特徴的な設計がなされています。

生産された自走砲は、第8重戦車駆逐大隊に配属され、1939年のポーランド侵攻や1940年のフランス侵攻に参加しました。これにより、Sd.Kfz.8はその活躍を通じて第二次世界大戦におけるドイツ軍の重火力支援の一翼を担う存在となりました。

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