Seiko (アルバム)

アルバム『Seiko』について

松田聖子が「Seiko」という名義で発表した『Seiko』は、彼女の通算17枚目のオリジナルアルバムで、1990年6月7日にリリースされました。この作品は、世界でのリリースを意識して制作されたアルバムであり、ポップでキャッチーなユーロビート調の楽曲が特徴です。

アルバムの収録内容と参加アーティスト

本アルバムには、シングル「All the way to Heaven」、「THE RIGHT COMBINATION」、「who's that boy」などの楽曲が収められています。特に「The Right Combination」では、アメリカの人気グループ・ニュー・キッズ・オン・ザ・ブロックのドニー・ウォルバーグとのデュエットが実現しました。また、「Try Gettin' Over You」は、1985年にリリースされたアルバム『SOUND OF MY HEART』に収録されていた曲の新録バージョンとして収められています。

さらに、グロリア・エステファンやジョン・セカダ、ニュー・キッズ・オン・ザ・ブロックなど、著名なアーティストが楽曲制作やコーラスに参加しており、そのクオリティを高めています。国内盤CDのライナーノーツは、音楽ジャーナリストの湯川れい子が担当しています。

制作費とパッケージ

このアルバムの制作にかかる費用は、5000万円弱という詳細な数値が示されています。また、ミュージック・ビデオ2本の制作には合計で3000万円が投入されました。当時のCBS・ソニーでは、国内制作のアルバムCDが2800円（税抜価格2718円）で販売されていましたが、『Seiko』は邦楽としての規格番号「CSCL」を使用しながらも、洋楽扱いの2330円（税抜価格2233円）で展開されています。このため、レーベルは標準仕様とし、パッケージは通常のプラスチックケースを採用しました。

さらに、本作には一部で紙箱入りの輸入盤も存在し、特に輸入CD扱いの店舗で販売されていたことが特徴的です。

セールスと評価

アルバムのビジネス的な観点では、30万枚の売上が採算分岐点とされ、結果的に日本国内で30万枚、北米と欧州で15万枚、東南アジアで7万枚という売上を記録しました。これにより、商業的には成功を収めたと言えるでしょう。

しかし、音楽専門誌『メロディー・メーカー』では、アルバムに関する評価はあまり良くなく、厳しい内容のレビューが掲載されたこともありました。音楽評論の視点からどのように受け取られたかという点でも、興味深い事例が見受けられます。

結論

松田聖子の『Seiko』は、ユーロビートの影響を受けたポップなおとぎ話のようなアルバムで、多くのアーティストの協力によって実現しました。商業的な成功を収めつつも、批評の面では評価が分かれる作品となっています。その多様性とエンターテインメント性は、今なお多くのファンに愛されています。

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