Separate Hearts

セパレイトハーツ：記憶喪失の少年と失われた恋人の謎

2006年2月23日、日本のコンピュータゲームブランドKIDよりPlayStation 2用ゲームソフト『セパレイトハーツ』が発売されました。本作は、バイク事故の後遺症で記憶を失ってしまった少年、星川純一が、忘れかけている恋人の日向ひかりの行方を探す恋愛アドベンチャーゲームです。

純一は事故の後遺症により、高校への通学路すら思い出せない状態です。親友の鏡見透の助けを借りて登校しますが、クラスにぽっかりと空いたひかりの席が、彼の心に引っかかります。透から、ひかりは純一の恋人であり、失踪したと告げられるも、純一にはその記憶がありません。

記憶を取り戻すため、そしてひかりの行方を知るため、純一は日常生活の中で、ひかりの面影を捜し求めます。物語は、純一を取り巻く5人のヒロイン、真夜、碧、藍、朱との交流を通して展開していきます。それぞれのヒロインとの関係の中で、純一は失われた過去の断片を拾い集め、ひかりの失踪の謎に迫っていきます。

しかし、物語は単純な恋愛模様だけではありません。ひかりの失踪の真相に近づくには、ヒロインたちを突き放すような、難しい選択を迫られる場面も存在します。他のヒロインと結ばれる道を選ぶことも可能ですが、たとえ幸せな結末を迎えたとしても、それは真のエンディングとはみなされません。

ゲーム内には『ファルベインの砦』という劇中劇が登場します。これは演劇部が練習中の舞台脚本で、行方不明になる前のひかりも関わっていた作品です。敵国の侵略に抵抗する孤高の女騎士クラディスの物語は、前半で途切れており、その後の展開が気になっている純一は、脚本の執筆者が記憶喪失以前の自分自身であったことを知ることになります。この劇中劇は、純一の失われた記憶、そしてひかりの失踪と深く関わっている重要な要素となっています。

主要登場人物は、記憶喪失の主人公、星川純一、そして失踪した恋人、日向ひかりです。純一を支える5人のヒロイン、深月真夜、双葉碧、水瀬藍、燈香朱、それぞれ個性豊かで魅力的なキャラクターです。真夜は純一の幼馴染で、彼の過去を知る人物ですが、純一の問いかけには曖昧な返答しかしません。碧は純一の同級生で、天然で明るい性格です。藍は水泳部のエースで、一見強気ですが、繊細な一面も持ち合わせています。朱は演劇部の部員で、独特の雰囲気を持つ人物です。これらのヒロインたちとの関係を通して、純一は自身の過去、そしてひかりの謎を解き明かしていくことになります。

サポートキャラクターとして、純一の親友である鏡見透、文芸部後輩の中原育也、そして碧がいつも持ち歩いている不思議なペンギンのぬいぐるみ、ヨモギなどが登場します。

『セパレイトハーツ』は、記憶喪失というミステリアスな要素と、複数のヒロインとの恋愛要素を巧みに組み合わせた作品です。美しいグラフィックと、心に響く音楽も魅力の一つです。失われた記憶、そして真実の愛を探す、切ない物語を体験したいプレイヤーにおすすめの作品です。

ゲームには設定解説ファンブックや、オリジナルサウンドトラックといった関連商品も発売されています。また、ゲームの舞台設定を共有する作品、『Close to 〜祈りの丘〜』や『想いのかけら -Close to-』なども存在します。これらの作品を合わせて楽しむことで、『セパレイトハーツ』の世界観をより深く理解することができるでしょう。

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