Series 60

S60（別名Series 60プラットフォーム、Nokia Series 60）は、ノキアが開発したSymbian OS用のアプリケーションプラットフォームおよびユーザーインターフェース（UI）です。

特徴

S60は、特にスマートフォン黎明期において、その柔軟性と拡張性から広く利用されました。開発者はJavaやC++などの言語を用いて、S60上で動作するアプリケーションを自由に作成・実行することができました。この点が、多くのユーザーや開発者からの支持を集める大きな要因となりました。最新バージョンは5th Editionであり、タッチスクリーンに対応している点が特徴です。なお、4th Editionは存在しません。

採用メーカー

S60はノキア以外のメーカーにも採用され、グローバル市場で一定のシェアを持っていました。主な採用メーカーは以下の通りです。

ノキア
パナソニック モバイルコミュニケーションズ
LG電子
サムスン電子
ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ

これらのメーカーから、S60を搭載した様々な端末が発売されました。

日本での展開

日本国内でもS60搭載端末は発売されましたが、いくつかの制約がありました。特にソフトバンクから発売された一部機種では、ノキアまたはシンビアンの電子署名がなされたネイティブアプリケーションしかインストールできませんでした。これは、セキュリティ上の措置と考えられますが、一部ユーザーにとっては不便な点でした。ただし、非正規の方法を用いることでインストールが可能になる場合もありました。

一方、NTTドコモから発売された機種では、ネイティブアプリケーションのインストール自体が不可能でした。これは、キャリアの方針やセキュリティに関する考え方の違いによるものと考えられます。そのため、日本国内では海外ほどS60が普及したとは言えません。

開発環境

S60のアプリケーション開発は、主にJavaやC++を用いて行われました。これらの言語に精通した開発者であれば、S60向けのアプリケーションを比較的容易に作成することができました。また、多くの開発コミュニティが存在し、情報交換や技術共有が活発に行われていました。

関連技術

S60は、以下の技術と関連が深く、これらの技術の進歩とともに発展してきました。

UIQ: S60と同様、Symbian OSをベースとしたUIプラットフォームです。
MOAP: 日本国内の携帯電話で採用されたUIプラットフォームで、S60とは異なるアプローチをとっています。
Symbian OS: S60の基盤となるオペレーティングシステムです。

外部リンク

* S60 Home

総括

S60は、その柔軟性と拡張性から、スマートフォン黎明期において重要な役割を果たしたプラットフォームです。特に、個人開発者の自由なアプリケーション開発を可能にした点は、大きな特徴と言えるでしょう。しかし、OSやプラットフォームの進化とともに、S60は歴史の一部となりました。しかし、その技術は、現在のモバイルプラットフォームにも影響を与えています。

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