Shangri-La (吉田拓郎のアルバム)

アルバム『シャングリラ』について

『シャングリラ』（Shangri-La）は、1980年5月5日に吉田拓郎が発表した10枚目のスタジオアルバムです。このアルバムは、先着10万枚に限定して、「SHANGRI-LA TAKURO」のオリジナルステッカーが特典として同梱されました。

制作背景

このアルバムの制作は1979年に始まり、特に音楽的な影響を受けた出来事が大きな契機となりました。吉田拓郎は、初めて日本に来たボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズのライブを観に行き、レゲエ音楽のリズムやそのエネルギーに強く心を動かされました。彼は「アイ・ショット・ザ・シェリフ」という曲の中の叫びやノリが、まさに黒人のソウルだと感じ、これまでの日本的なレゲエアレンジと一線を画す新たな魅力を見出しました。

拓郎は自身初の海外レコーディングを行うことを決意し、日本からは誰も同行せず、単独で渡米しました。プロデューサーには彼の少年時代からの憧れであったブッカー・T・ジョーンズを迎え、録音に必要なスタッフは全て外国人で構成されました。さらに、スタジオ・ミュージシャンとして元ザ・バンドのガース・ハドソンも参加しており、このアルバムは拓郎とザ・バンドとの邂逅としても注目されています。アルバムタイトルの『シャングリラ』は、ザ・バンドのドキュメンタリー映画『ラスト・ワルツ』の舞台として知られるロサンゼルス近郊のシャングリラスタジオでの録音を反映しています。

収録曲

このアルバムには、多くの楽曲が収録されており、ほとんどの曲は吉田拓郎が作詞作曲を手掛けています。編曲は全てブッカー・T・ジョーンズが担当しています。代表的な楽曲には以下があります。

• - あの娘といい気分：前年の大晦日コンサートで「Fの歌」という名前で演奏されました。
• - いつか夜の雨が：作詞は岡本おさみが担当。
• - Bye Bye Yesterday
• - 帰らざる日々
• - 愛の絆を：こちらも岡本おさみの作詞によるもので、「いつか夜の雨が」のB面曲として知られています。
• - 熱き想いをこめて
• - あの娘を待ってる街角：作詞は岡本おさみ。
• - ハネムーンへ
• - 街へ
• - 又逢おうぜ あばよ：作詞は岡本おさみ。

参加ミュージシャン

このアルバムには多くの著名なミュージシャンが参加しており、その演奏クオリティを高めています。主なメンバーは以下の通りです。

• - キーボード：ブッカー・T・ジョーンズ
• - ドラムス：サミー・クリースン
• - ベース：デニス・ベルフィールド
• - ギター：マイケル・センベロ
• - ギター＆バンジョー：ダン・ファーガソン
• - パーカッション：アレックス・ネシオスプ・アクンナ
• - テナーサックス：ジョン・フィリップス
• - トランペット：リッチ・クーパー、オスカー・ブラシア
• - テナーサックス：ジャッキー・ケルソー
• - コーラス：ビリ・セッドフォード、ヴェネッタ・フィールズ、マキシン・ウォータース・ウィラード
• - サクソフォン＆アコーディオン：ガース・ハドソン

さらには、弦楽器のコントラクトマスターにはスタンリー・プラマーが関与し、配信や指揮も行っています。

このように、『シャングリラ』は多様な音楽的要素が融合した作品として、高く評価されています。

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