Si 201 (航空機)

ジーベル Si 201: 陸軍偵察机の試作機

ジーベル Si 201（Siebel Si 201）は、ジーベル社によって設計された観測および陸軍直協のための偵察機です。この機体は1938年に初飛行を果たし、同時にフィーゼラー Fi 156やメッサーシュミット Bf 163と共に性能試験の評価が行われましたが、最終的には量産に至らず、たった2機の試作機のみが生産されました。

設計の背景

Si 201の設計は、空中での観測と前線支援を行うための要求に基づいています。これにより、航空機がより効果的に情報収集を行えるようにされました。この航空機は、主翼上に搭載されたアルグス As 10Cエンジンを用いて推進する構造を持っています。

特徴と性能

Si 201は、支柱付き高翼単葉の形状を持ち、尾輪式の降着装置を採用しています。前部胴体は全面的にガラス張りになっており、操縦士と観測員がタンデムに搭乗するための四角いデザインが特徴です。

概要

• - 乗員: 2名（操縦士、観測員）
• - 全長: 10.4 m (34 ft 11⁄2 in)
• - 全幅: 14.0 m (45 ft 111⁄4 in)
• - 全高: 3.4 m (11 ft 13⁄4 in)
• - 空虚重量: 1,120 kg (2,469 lb)
• - 運用重量: 1,440 kg (3,175 lb)
• - エンジン: アルグス As 10C 倒立V型8気筒エンジン（出力179 kW / 240 hp）
• - 最大速度: 185 km/h (115 mph)
• - 巡航速度: 150 km/h (94 mph)
• - 巡航高度: 5,500 m (18,040 ft)
• - 航続距離: 450 km (280 miles)

Si 201はその全体的な性能や設計から、偵察を行うための特化した機体であったことが分かります。ただし、軍事的な需要の変化や他機種との競争により、量産には至らず、比較的短命な存在となりました。

関連機種

• - フィーゼラー Fi 156: Si 201と共に評価試験を受けた機体で、実際に量産された成功例の一つです。
• - メッサーシュミット Bf 163: 同じく評価試験に参加した機体で、設計の技術を比較する材料となりました。

このように、ジーベル Si 201は特異なデザインと機能を持つ航空機ですが、他の機体に押される形で歴史の中に埋もれていくこととなりました。

もう一度検索