Sincerely (浜田麻里のアルバム)

『Sincerely』は、浜田麻里が1989年12月16日に発表した初のベストアルバムです。ビクター音楽産業／Invitationレーベルからリリースされました。このアルバムは、浜田麻里のキャリアにおいて重要な位置を占める作品であり、彼女の音楽的な多様性と表現力を示すものとして、多くのファンに愛されています。

アルバムの制作背景

このアルバムは、浜田麻里初のベストアルバムとして企画されました。収録曲は、バラードを中心に構成されており、全10曲中4曲が新曲、3曲が過去の楽曲を新たにレコーディングしたものです。特に、先行シングルとしてリリースされた「Open Your Heart」は、アルバムの方向性を示す重要な楽曲の一つとなっています。

浜田麻里自身は、このアルバムについて「かなり力を入れているシリーズの一つ」と語っており、その制作に対する意気込みが窺えます。当時、彼女の代表曲である「Return to Myself」がヒットした直後であったため、ビジネス的には同様の路線の楽曲を制作することがセオリーとされていました。しかし、彼女は自身の「天邪鬼な性格」から、あえて異なるタイプの楽曲に挑戦したいという思いがあったと述懐しています。この結果、彼女の音楽性の幅が広がったと捉えられていますが、浜田麻里自身はデビュー当初からバラードシンガーとしての素養があったと述べています。つまり、『Sincerely』は、彼女の本来の音楽的ルーツを反映した作品とも言えるでしょう。

批評

音楽雑誌『CDジャーナル』は、このアルバムにおける浜田麻里の歌唱力について、「いつものシャウトする麻里ではない、女性としての優しさをホロリとのぞかせるいじらしい姿がここにある」と評しています。また、「動と静の絶妙なる共存こそ彼女の最大の財産であることを再認識した」と、彼女の音楽的な表現力の豊かさを肯定的に評価しています。

収録曲

アルバムには以下の楽曲が収録されています。新曲には「※」、ニューレコーディングされた楽曲には「※※」のマークが付いています。

1. Open Your Heart ※
2. My Tears
3. Don't Change Your Mind ※※
4. Forever
5. Precious Summer
6. Heart Line ※※
7. Memory In Vain
8. Promise In The History ※
9. Stay Gold
10. Misty Lady ※※

参加ミュージシャン

このアルバムには、以下のミュージシャンが参加しています。

THE BAND
JOHN KEANE: DRUMS AND PERCUSSION
JOHN PIERCE: BASS
MICHAEL LANDAU: ELECTRIC AND ACOUSTIC GUITARS
RANDY KERBER: KEYBOARDS
TOM KEANE: KEYBOARDS
ADDITIONAL GUESTS
MARC RUSSO: SAX
DONNA DELORY, MONA LISA YOUNG: CHORUS

また、H.M. PROJECTとして、以下のメンバーが参加しています。

MARI HAMADA, HIROUKI OHTSUKI, TAKANOBU MASUDA, TAKASHI MASUZAKI, NORIYUKI OKADA, TOMONORI YAMADA

リリース日一覧

1989年12月16日：CD、CT盤

外部リンク

Mari Hamada Official Siteによる紹介ページ
* Sincerely

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