Socket 603

Socket 603は、インテルがXeonプロセッサ向けに設計したCPUソケットであり、主にワークステーションやサーバープラットフォームで使用されていました。このソケットは、ZIF（Zero Insertion Force）ソケットの一種で、プロセッサを容易に取り付け・取り外しできる構造になっています。

仕様

Socket 603は、ソケットの中央に603個の接点が格子状に配置されているのが特徴です。これらの接点は、1.27mmピッチの規則的なピン配列を形成し、603ピンパッケージのプロセッサと接続します。インテルの設計思想として、低コスト、低リスク、堅牢性、そしてシンプルな構造が重視されており、Socket 603とSocket 604を区別する上でのポイントとなっています。

Socket 603に対応するプロセッサは、400MHzのバス速度で動作し、180nmまたは130nmプロセスで製造されています。興味深い点として、Socket 603用プロセッサはSocket 604のマザーボードに挿入可能でしたが、Socket 604用プロセッサはピン数が一つ多いため、Socket 603のマザーボードには物理的に挿入できませんでした。Socket 603対応プロセッサの動作周波数は、1.4GHzから3GHzの範囲で提供されていました。

インテルはSocket 604向けに"MP"（マルチプロセッサ）対応プロセッサを製造していませんが、Socket 603向けには一部のプロセッサが"MP"対応として提供されていました。プロセッサ名に付記される"MP"は、マルチプロセッサ環境での性能向上を目的としたL3キャッシュを内蔵していることを示します。ただし、現在ではSocket 604向けのプロセッサでも、最大16MBのL3キャッシュを搭載したものが存在します。

採用製品

CPU

Intel NetBurst
Foster
* Prestonia / Gallatin

脚注

http://www.intel.com/Assets/PDF/designguide/249672.pdf

外部リンク

Intel.com

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