SPEEDO

SPEEDO（スピード）

SPEEDOは、イギリスに本拠を置く国際的な水着メーカーであり、その商標です。特に競泳用水着の分野で広く知られており、マイケル・フェルプスをはじめとする多くの著名な水泳選手と契約を結んでいます。

日本では、長年にわたりミズノが製造・販売のライセンス契約を結んでいましたが、2007年5月末に契約を終了しました。その後、三井物産が日本国内でのライセンスを取得し、ゴールドウインが競泳用水着や衣料品などの開発・販売を担当しています。

日本語表記は「スピード」であり、最後の「O」がない「SPEED」と誤認されることがありますが、原語での発音をカナ表記すると「スピードウ」となります。また、英語圏では「SPEEDO」が競泳用水着の代名詞として用いられることもあります。

歴史

1914年、オーストラリアのシドニー近郊にあるボンダイビーチで、スコットランド人のアレクサンダー・マクレーによって、マクレー靴下製造社として創業されました。その後、マクレー・ニッティング・ミルズ社に改称し、水着の製造に着手しました。

1928年には、初めて「レーサーバック」と呼ばれる今日の女性用競泳用水着の定型を開発・製造しました。これにより、世界で最初の競泳用水着メーカーのひとつとなりました（このときよりSPEEDOブランドを使用）。第二次世界大戦中は、蚊帳などの軍需製品の製造を行っていましたが、1951年に水着製造を再開し、株式を公開しました。1955年には、競泳用水着にナイロンを使用しました。1956年のメルボルンオリンピックでは、男性用競泳用水着にこの新素材を導入したことが国際的に注目を集め、競泳用パンツの代名詞となりました。1968年、1972年、1976年のオリンピックでは、メダルを獲得した選手の7割近くが同社の水着を使用しました。

1970年代からは、スパンデックスなどの新素材を水着開発に活用してきました。1990年代後半には、「アクアブレード」や「ファストスキン」などの競泳用新素材開発に注力し、サメなどの水生生物の肌素材の特徴を模倣することで、水の抵抗を低減することを目指しました。

2007年からは、若年層市場をターゲットに、日本のファッションブランド「コム・デ・ギャルソン」と共同で商品開発を行っています。

現在は、イギリスのペントラント社が買収し、スピード・インターナショナルとして傘下のブランドとなっています。

主な契約選手・人物、スポンサーシップ

選手

グラント・ハケット（オーストラリア）
朴泰桓（韓国）
アマンダ・ベアード（アメリカ合衆国）
マイケル・フェルプス（アメリカ合衆国）
ケーレブ・ドレッセル（アメリカ合衆国）
北島康介（日本）：ミズノライセンシー時代の2004年から契約し、北京オリンピックでは「レーザー・レーサー」を着用していましたが、2013年からはarenaとの契約に切り替えました。
朴泰桓（韓国）：2016年の自身のドーピングによる資格停止からの復帰後に出場したリオデジャネイロオリンピック以降、arenaとの契約に切り替えました。

団体

国際水泳連盟（FINA）：公式FINAパートナー
オーストラリア水泳連盟

レーザー・レーサー着用選手による世界記録連発

2008年の北京オリンピックシーズンに向けて投入された新水着「LZR RACER（レーザー・レーサー）」を着用した選手が、次々と世界記録を更新しました（2008年7月7日現在、短水路を含め計45以上）。北京オリンピックでのアメリカ合衆国代表選考会では8個の世界新記録と1個の世界記録タイが、日本でも6月のジャパンオープンでこの水着により15個の日本新記録、1個の世界新記録が生まれています。一部では自己記録を4秒以上も縮めた選手もいました。

LZR RACERは、アメリカ航空宇宙局（NASA）や大学、専門家の協力を得て開発されたもので、縫い目がないのが特徴で抵抗が軽減され、撥水性にも優れています。

一方で、浮力との関係を問題視する声も相次ぎ、国際水泳連盟が調査を表明しました。結果、「優位性の科学的根拠はなく規則にも違反していない」との結論となりました。

2008年5月時点では、日本水連は前述の通り「SPEEDO」ブランドを持つゴールドウインと契約しておらず、日本代表選手は北京オリンピックでは着用できませんでした。日本水連は「契約した3社に今後も改良を求める」との立場でした。各社はこれを受け、5月30日に改良型の水着を発表。公式大会などで選手が試用して比較を行ったうえで、日本水連は6月10日に「SPEEDO」水着など、日本水連契約外でも国際水連公認であれば使用を認めることを決めました。

2010年1月にFINAが水着の規定を変更したため、レーザー・レーサーは着用が禁止されました。

この騒動の後、SPEEDO社は製品名としてレーザー・レーサーという名前の製品を継続していますが、最新モデルはFINAの規定に準拠したものであり、本節で解説したモデルとは異なります。

外部リンク

Speedo - スピードブランドサイト（日本語）
Speedo （英語）
Speedo Japan - Facebook
スピードジャパン／Speedo Japan - Instagram
speedojapan - YouTubeチャンネル

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