Su-17 (航空機)

Su-17（スホーイ17）

Su-17は、ソ連のスホーイ設計局によって開発された超音速ジェット軍用機で、主に戦闘爆撃機及び前線偵察機としての役割を持っていました。NATOコードネームは「フィッター」で、様々な派生型が存在し、その性能や用途は多岐にわたります。

概要

Su-17の開発は1950年代後半に遡ります。ソ連では、空軍の対地攻撃力の強化を図る中で、既存のSu-7戦闘爆撃機が短い航続距離と制限された兵器搭載能力という問題を抱えていることが明らかになり、新型機の開発が急務とされました。その結果生み出されたのが、Su-17とMiG-23Bです。

Su-17は、Su-7BMの設計から半可変翼を導入し、操縦性能を向上させたモデルです。MiG-23Bと並行して生産が開始され、特にSu-17シリーズはMiG-23Bに比べて兵器搭載能力が高く、信頼性に優れていました。このため、国内外で多く生産され、長期間運用されることとなりました。

実戦運用

実戦においては、Su-17シリーズは特に中東での使用が目立ちます。第四次中東戦争において、最初の実戦投入が行われ、アラブ側における対イスラエル爆撃任務で活躍しました。また、湾岸戦争やイラン・イラク戦争、南北イエメン戦争においても見られます。

特にソ連によるアフガニスタン侵攻の際には、Su-17M4を主装備とした爆撃部隊がゲリラの潜む地域への攻撃に投入され、連携した偵察部隊も多くの任務を遂行しました。この時期、数多くのSu-17機が敵の地対空ミサイルに対抗するために改良を重ね、戦場での生存性を高める努力がなされました。

1981年には、リビアに輸出されたSu-22Mがアメリカ海軍のF-14によって撃墜される事件が発生し、これは西側で広く知られる出来事となりました。

機体の多様性

Su-17シリーズは「戦闘爆撃機」としてだけでなく、偵察任務にも対応していたため、現代で言うところのマルチロール機とも言える存在でした。各国でさまざまな改良がなされ、特に偵察コンテナを搭載しての運用は多くの場面で見られました。

また、数多くの派生機や改良型も開発され、特に複座型のSu-17UMや高度な航空戦力を有するSu-17M3、Su-17M4は特に注目を集めています。これらの型は、機体の形状や性能においてさまざまな進化を遂げ、他国への輸出も行われました。

現在の状況

ソビエト連邦の崩壊後、Su-17シリーズは多くの国での運用が続きましたが、1990年代中盤以降、退役や近代化改修が進みました。ポーランドやブルガリアなどではまだいくつかの機体が運用されているものの、多くは静かに歴史の中に消えていきました。

近年では、ペルーやベトナム、イエメンなどで改良を受けつつも活動を続けていることが報告されています。一方、イランではイスラム革命防衛隊によって一部が現在でも使用されているとの情報もあります。

まとめ

Su-17シリーズは、その開発の背景から広範な任務に対応し続けることができた航空機であり、冷戦時代の軍事テクノロジーの進化を象徴する存在です。その多様性と実戦での長期にわたる運用は、今でも多くの軍事研究や戦術分析に影響を与え続けています。

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